糖尿病が悪化してインスリンの働きの不足が顕著になると(膵臓から分泌されるインスリンが減る/インスリンが効きにくくなる)、糖分をエネルギーとして利用できなくなります。
そうなると身体を構成している脂肪や筋肉を分解してエネルギーを得るようになるため急激に痩せてしまいます。この状態を放置すると血糖値は更に上昇し、長期的には血管合併症(神経障害, 網膜症, 腎症, 動脈硬化症)が進行してしまいます。また、糖尿病性ケトアシドーシスという代謝不全の状態となり、生命の危険にさらされる可能性もあるのです。
『食べても食べても痩せる』状態では糖尿病がかなり進行している可能性が高いので、早急に医療機関を受診していただくことをお勧めします。
食欲は十分にあるにもかかわらず痩せてしまう場合には甲状腺機能亢進症(バセドウ病)の可能性があります。過剰に分泌された甲状腺ホルモンが脂肪や筋肉の分解を促進するために痩せてしまうのです。
疲れやすさ、発汗、動悸、不眠、イライラなどの症状が特徴的です。
がんなどの悪性腫瘍で痩せる場合は食欲低下を伴うことが多いですが、初期の段階では食欲が低下しないこともありますので、注意が必要です。