動悸

動悸とは

動悸・胸痛

動悸とは、心臓の拍動を自覚する状態です。心臓の鼓動を強く感じる、速く感じる、脈の間隔が不規則に感じるなどの不快な症状です。「胸がドキドキして息苦しい」「脈が飛ぶことが気になる」など、患者さんによって様々な訴えになります。

動悸の原因

動悸は病気が原因である場合と病気以外の要因が原因である場合があります。

動悸の原因となる主な病気

動悸の原因の多くは心臓病ですが、その以外の病気が原因となる場合もあります。

心臓の病気

・心臓弁膜症
・心筋症(肥大型/拡張型)
・不整脈(発作性上室性頻拍・期外収縮・心房細動・心房粗動・洞不全症候群など)
・心不全

心臓以外の病気

・貧血
甲状腺機能亢進症(バセドウ病)
・更年期障害
・パニック障害
・低血糖症

病気以外の原因

・過剰な興奮や緊張状態(激しい労作や運動、精神的な緊張や興奮)
・カフェインやアルコールの過剰摂取
・薬の副作用
・脱水
・睡眠不足

 

動悸の症状

このように動悸は様々な原因によって引き起こされるので、治療を必要とする場合とそうでない場合があります。ご自身で判断することは困難なため、気になる症状があれば心臓の専門家である循環器内科にご相談いただくのが良いでしょう。

▽動悸の症状を感じた場合、以下の特定の症状や特徴に注意して受診の必要性やタイミングを判断してください。

緊急を要する場合
  • 安静にしているのに、脈拍が140回/分を超えている
  • 胸痛、息苦しさ、意識が遠のく、冷や汗が出る、などの症状がある
  • 動くことができないほど激しい動悸がある

※上記のような症状がある場合は急いで休日、夜間を問わず直ちに医療機関(救急病院)を受診してください。状況によっては救急車が必要です。

早目の受診が必要な場合
  • 安静にしているのに、脈拍が100回/分を超えている
  • 脈が飛ぶ、乱れている
  • 強い拍動が続いている、繰り返している

※なるべく早く、循環器内科にご相談ください。

様子を見て良い場合
  • 一時的なもので、その後は繰り返さない

※症状の悪化傾向が見られれば、循環器内科にご相談ください

動悸の検査と診断

医療機関を受診する際は、動悸を感じたときの状況を正確に伝えるようにしましょう。

動悸の原因を明らかにするためには、心電図検査や血液検査といった検査も必要ですが、動悸が起こった時の状況や自覚症状、脈の様子などが、原因を推測するうえで非常に役に立ちます。

動悸を感じたときは、以下のチェック項目を記録しておき、医療機関を受診したときに医師に伝えるようにしましょう。

血糖値
動悸を感じた時のチェック項目

1.どんなきっかけで動悸が起こったか?

2.どんな症状で、どれくらいの時間続いたか?

3.動悸が始まる時と止まる時の状況。突然か、あるいは徐々にか?

4.動悸を感じている間の脈拍数はどのくらいか

5.脈拍は規則的か、不規則か?

 

 

動悸の診断・検査

心電図

心臓の病気であることが疑われる場合は、心電図で波形をみたり、超音波検査で心臓の動きや弁の異常の有無を調べます。受診時に動悸の症状が見られない場合には、心電図をつけて1日を過ごしていただく24時間ホルター心電図という検査を行うこともあります。

心臓以外の原因が考えられる場合は血液検査で貧血や血糖値、甲状腺ホルモンの量などを測定します。これらの問診内容や検査結果から、動悸の原因を総合的に判断します。

動悸の治療法

検査の結果、問題のない動悸と診断された場合は、症状が強くない限りはそのまま様子をみることもあります。

動悸の原因でよくある不整脈によって治療が必要な場合には、以下のような治療が行われます。

・薬物療法

・カテーテルアブレーション
※治療用の管(カテーテル)を太ももの付け根から血管を通じて心臓に挿入し、カテーテ ルの先端から高周波電流を流して不整脈の原因となる部位を焼灼する治療です。

・電気的除細動
※体外から電極をあてて電気ショックを与える事により不整脈を電気的にリセットする治療です。

・ペースメーカー
※体内に機器を埋め込んで、電気的に脈拍を整える治療です。

 

動悸の症状を感じられたら、当院の循環器専門外来へ

動悸は経過観察でよいものから、緊急に治療しなければならないものまで、様々な原因があります。普段から動悸の症状を感じる方は、一度、循環器内科を受診し検査をしておいた方が安心でしょう。

当院では、毎月第2、第4金曜日に、循環器専門外来を行っています。名古屋大学医学部附属病院のベテランの循環器専門医が担当しています。クリニックでの検査, 治療が難しいような病気が見つかった場合でも、スムーズに専門の治療を受けていただける医療機関へのご紹介が可能です。どうぞお気軽にご相談ください。

 

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文責:小早川医院 院長 小早川裕之

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