糖質制限(低炭水化物)食とは、カロリーを制限せず、糖質・炭水化物の摂取量を制限することにより、食後に血糖値や血液中のインスリン値が上昇することを防ぐ方法です。英語ではlow-carbohydrate dietと表現されるので、これを略して「ローカーボ食」という呼称もあります。
註:炭水化物=糖質+食物繊維
欧米では糖尿病や肥満、メタボリック症候群の食事療法として注目されており、多くの人々が実践しています。糖質制限(低炭水化物)食が従来のカロリー制限食よりも優れているという研究結果も多数報告されています。
日本では、2000年ごろに京都の高尾病院で糖尿病の糖質制限(低炭水化物)食による治療が始まりました。2003年には春日井市の灰本クリニックでもこの治療法が導入され、めざましい成果をあげています。
当院では、当初は従来のカロリー制限食と薬物療法を組み合わせた糖尿病の治療を行なっていましたが、何種類もの薬を組み合わせて使っても血糖のコントロールができない方や、血糖のコントロールはできても肥満が解消せず、なかなか薬が減量できない方が多いという問題点がありました。この状況を打破するために、当院でも糖質制限(低炭水化物)食を導入し、非常に良い結果が得られています。患者さんに記録していただいた3日分の食事日記をもとに、管理栄養士が栄養分析を行い、その結果をもとに栄養指導を行っています。また、当ウェブサイトの「スタッフブログ」に糖質制限レシピを定期的にアップしていますので、ぜひご覧ください。
また、2011年3月には、愛知県下で糖質制限(低炭水化物)食を治療に導入している医療機関の医師、管理栄養士が中心となって「日本ローカーボ食研究会」が設立され、私も入会させていただきました。年2回の学術集会が開催され、適正な糖質制限食の普及を目指して活発な議論が交わされています。
現状のカロリー制限食に限界を感じておられる方、なかなか血糖のコントロールができない方、糖尿病の薬を減らしたい方、また糖尿病でなくても肥満やメタボリック症候群で悩んでおられる方は是非ご相談ください。