高齢者の頻尿や尿もれの主な原因は、過活動膀胱や腹圧性尿失禁です。さらに男性の場合には前立腺肥大がかかわっている場合が多いのです。
過活動膀胱は、神経に何らかの異常が起こり、脳と膀胱の連携がうまくいかなくなることによって起こります。膀胱に尿が少ししかたまっていないのに、膀胱が脳による制御を無視して勝手に収縮するため、頻尿を招きます。また、急激に尿意が起こることもあるため、トイレが間に合わずに失禁してしまうこともあります(切迫性尿失禁)。
腹圧性尿失禁は、咳やくしゃみをしたり大声で笑ったり重い荷物を持ち上げるなど、おなかに力が入った時に尿もれが起こる病気です。腹圧性尿失禁の原因は、排尿を調節する骨盤底筋や尿道括約筋の衰えです。ですから、男性に比べて尿道の短い女性に多く見られます。
前立腺肥大は、50歳以上の男性に多い病気です。尿道を囲んでいる前立腺(精液を作る器官)が肥大して尿道を圧迫し、夜間頻尿や残尿感といった症状を引き起こします。加齢による性ホルモンの乱れが主な原因であるとされています。