認知症の種類

アルツハイマー型認知症

最も頻度が高い認知症であり、全体の60%以上を占めています。
患者さんの平均年齢は76歳程度、男女比は1:1.6で女性に多い疾患です。初発症状は「もの忘れ」が圧倒的に多いです。
症状としては、記憶障害(特に短期記憶障害)、見当識障害、遂行機能障害などの中核症状と幻覚、妄想、徘徊などの周辺症状が見られます。
アルツハイマー型認知症の特徴として、「取り繕い反応」があります。これは、もの忘れによって様々な問題が起きているにもかかわらず、忘れてしまっていることを覚えているかのようにふるまうことです。周囲に合わせて事実と異なることを言ってごまかそうとするのです。これによって診断が遅れたり、要介護認定の際に不当に低い要介護度と判定されてしまうことがあるので注意が必要です。

血管性認知症

アルツハイマー型認知症に次いで多いのが血管性認知症であり、全体の15~20%を占めます。
高血圧、動脈硬化、頸動脈狭窄、一過性脳虚血発作(TIA)、糖尿病、脂質異常症、肥満、虚血性心疾患、心房細動、喫煙、大量の飲酒などが危険因子となり、脳血管障害を起こした後に発症してくることも多いです。記憶障害は比較的軽い傾向があります。
症状は、保たれている機能と障害された機能が混在する「まだら呆け」が特徴です。麻痺などの身体症状を伴うことも多く、意欲や自発性の低下、遂行機能障害などの前頭葉症状が目立ちます。

レビー小体型認知症

記憶障害だけでなく、動作が遅くなり転倒しやすくなるパーキンソン症状、繰り返す幻視を特徴とする認知症です。
パーキンソン症状は歩行障害などの形で比較的早期に現れることが多いです。具体的で明確な幻視が反復して見られます。人物、小動物、虫などが見えることが多く、色、形、種類をはっきりと述べます。認知機能の低下はアルツハイマー型認知症に比べて軽い傾向があります。
その他にも、抑うつ症状やレム睡眠行動異常(夢に反応して大声を上げる、壁を叩く、隣に寝ている人を殴るなど)、自律神経障害(便秘、排尿障害、起立性低血圧など)、薬剤過敏性(薬の副作用が出やすい)など多彩な症状がみられます。

前頭側頭型認知症

神経の変性により、前頭葉や側頭葉の前方に萎縮が起こり、他の認知症では見られない特徴的な症状を呈するのが特徴です。
社会性が低下するため、身だしなみに無頓着になったり、万引きのような軽犯罪を起こしたりします。
抑制が効かなくなるので、相手に配慮ができない、家族に暴力をふるう、度を越した悪ふざけをするなどの問題行動が起きてきます。
いつも同じ時間に同じ道順を歩き続ける、同じ動作を繰り返す、同じものを食べ続けるなど、同じ行動を繰り返す(常同行動)も特徴的です。

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