名古屋認知症・物忘れ相談室
監修医院:小早川医院

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怒りっぽく、暴力的になる

怒りっぽく、暴力的になるのは認知症の兆しかも知れません

認知症の初期に怒りっぽく頑固になるケースがあります。それが高ずると、暴言を吐いたり暴力を振るうようになり、周囲の人に危害を加える危険性もあります。介護している家族や身近な人が、最初に変化に気づく事が多いです。この場合は周りの方に危害を加えないよう、しっかり注意して観察する必要があります。
認知症で怒りっぽくなる原因は、前頭葉の機能低下により感情のコントロールが出来なくなるためだと考えられています。また、認知機能の低下により、周囲の状況を理解することができなくなるため、不安や焦りを感じていっそう怒りっぽくなります。
認知症の方は種々の能力が以前よりも低下して、出来るはずの事が出来なくなったという自覚は持っています。そのような状況で、周囲から否定されたり間違いを指摘されることで自尊心が傷つけられ、暴言を吐いたり、介護を拒否したりしてしまいます。それが、介護者の恐怖やストレスにつながり、介護の継続を困難にします。

認知症による暴言・暴力への対応について

暴力や暴言がひどいときは、介護者がいったん本人から離れる事が大切です。
いったん部屋を出る、介護者を一時的に変える、介護施設などに相談して短期間預けるなどの対応が必要です。一定の距離を取ることで、お互いに冷静になることができるでしょう。
介護している家族に対する甘えが暴力•暴言の背景にあることが多いです。ですから、第三者に立会ってもらったり、介護を任せてみるのも良いでしょう。
認知症の方からの暴言•暴力で不安やストレスを感じている方は、家族や友人、かかりつけ医、ケアマネジャーなどに相談してみましょう。
また、本人の意思を尊重することも大切です。
本人が嫌がっているのに無理矢理リハビリを行ってはいけません。本人の意思を真っ向から否定すると、不安やストレスを与える原因にもなります。結果として、攻撃的な症状を悪化させてしまうおそれがあります。
暴言•暴力が悪化した際には、認知症の方が苛立っている原因を明らかにする事も大切です。
以下のような事が原因となる場合が多いです。

  • 寝不足
  • 薬の副作用
  • 環境の変化
  • 家族の態度の変化
  • 不安・焦燥の強い精神状態

薬物療法も有効です。
暴力や暴言には、興奮を落ち着かせる作用のある「抗精神病薬」や「抗不安薬」を処方します。
当院では介護者保護のため、比較的早期に少量の抗不安薬、抗精神病薬を投与し、良好な結果が得られています。

怒りっぽく、暴力的になるというのは認知症でよくある症状のひとつです。
認知症は早い段階で気付き、治療を開始することで進行を遅らせる、改善させることが期待できます。少しでも気になることがあれば、認知症外来を行っている小早川医院にご相談ください。

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