名古屋認知症・物忘れ相談室
監修医院:小早川医院

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同じ物を何度も買ってくる

同じ物を何度も買ってくるのは、認知症の兆しかも知れません

認知症による記憶障害の症状である場合には、新しい記憶を脳に保存しておくことが難しいので、「買ったものを忘れる」のではなく、「買ったこと自体を覚えていない」という現象が起こります。その結果、繰り返し買ってきたたくさんの同じ物が目の前にあったとしても、「それらが自分が買ってきたものである」と判断できなくなるのです。その結果、必要もないのにまた同じ物を買ってきてしまいます。

前頭葉が萎縮するタイプの認知症の場合には、常同行動(同じ行動を繰り返す)の一つとして『同じ物を何度も買ってくる』という症状が出現することがあります。こうしたケースでは、習慣的に同じ物を繰り返し買い続けるのですが、本人もその事を理解しています。

同じ物を何度も買ってくるときの対応について

基本は、同じものをいくつも買っても、「また買ってきた」「もう買わないでって言ったでしょ」などと、そのことをあからさまに非難しないほうがいいでしょう。買ってきたことをとがめて、無理にやめさせると、かえって不安をあおって混乱させることになり、認知症の症状を悪化させてしまいます。繰り返し買ってくるものが大根やニンジンなどのように家族や近所の人に協力してもらって消費できるものであれば、買うことを止めなくてもいいように工夫して対処できる可能性もあります。介護サービスを利用して、ヘルパーに買物支援を依頼することもできます。買物に同行してもらうことで、不必要な買い物を減らすことができます。また、本人がいつも買い物をする商店に相談するのもよいでしょう。事情を説明して、同じものを繰り返し買おうとした場合には会計の時などに店員さんから「もうすでに買っている旨を伝えてもらうのも一法です。同じものを買ったということを伝える場合、身近な家族から伝えられるよりも、少し離れた人から伝えられるほうが、受け入れてもらえる場合が多いようです。

同じ物を何度も買ってくる、というのは認知症でよくある症状のひとつです。

認知症は早い段階で気付き、治療を開始することで進行を遅らせる、改善させることが期待できます。少しでも気になることがあれば、認知症外来を行っている小早川医院にご相談ください。

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