物の名前が出てこないのは、認知症の兆しかも知れません
「物の名前が出てこなくなった」「もの忘れが多くなった」と心配して外来を受診される患者さんが増えています。このような場合でも、後で思い出せるのであれば認知症ではありません。記憶力とともに判断力や注意力などの認知機能が徐々に低下していくのが認知症ですが、認知機能低下の背景にストレスや疲労、更年期障害、うつ状態、栄養障害、甲状腺機能低下症、てんかん、薬剤の副作用などの認知症以外の原因が潜んでいることも多いのです。
まずは、認知機能低下の原因をはっきりさせ、できるだけ早期に対策を講じることが必要です。特に認知症が疑われる場合には早期発見早期治療が重要です。
物の名前を思い出しにくくなったら、一度検査を受けてみましょう
うつ状態は心理テストや問診で診断が可能です。更年期障害、栄養障害、甲状腺機能低下症は血液検査で簡単に診断できます。認知症も問診や認知機能検査で診断が可能です。いずれにせよ、記憶障害の原因を明らかにするための検査を早期に受けることをお勧めします。その結果にしたがって治療を開始することで早期の症状改善につながります。
物の名前が出てこない状態は、認知症でよくある症状のひとつです。
認知症は早い段階で気付き、治療を開始することで進行を遅らせる、改善させることが期待できます。少しでも気になることがあれば、認知症外来を行っている小早川医院にご相談ください。
コウノメソッドについて
当院では「コウノメソッド」と呼ばれる認知症治療を行っております。
コウノメソッドとは河野和彦氏が提唱した認知症治療法です。認知症と一言で言っても、アルツハイマー型認知症、レビー小体型認知症など複数の病型に分類されます。
通常の認知症治療では、上記の認知症の類型に関係なく同じ薬が処方されることがあります。
これに対してコウノメソッドは、認知症のタイプや進行度に応じて薬を選択する点が特徴的な治療方法です。
患者一人ひとりの症状や状態に応じて、個別に最適な薬を選定し、最小限の薬で最大の効果を目指す治療を行います。個々の患者様に適したきめ細やかな治療を行うため、結果として副作用を最小限に抑えながら症状改善を目指すことができる治療方法です。
また、コウノメソッドは患者様ご本人だけではなく、介護者の方の負担に関しても着目しており、患者様と介護者、双方の視点に立った治療方法です。
コウノメソッドについて詳しく知りたい方は下記もご参照ください。