「物の名前が出てこなくなった」「もの忘れが多くなった」と心配して外来を受診される患者さんが増えています。このような場合でも、後で思い出せるのであれば認知症ではありません。記憶力とともに判断力や注意力などの認知機能が徐々に低下していくのが認知症ですが、認知機能低下の背景にストレスや疲労、更年期障害、うつ状態、栄養障害、甲状腺機能低下症、てんかん、薬剤の副作用などの認知症以外の原因が潜んでいることも多いのです。
まずは、認知機能低下の原因をはっきりさせ、できるだけ早期に対策を講じることが必要です。特に認知症が疑われる場合には早期発見早期治療が重要です。
うつ状態は心理テストや問診で診断が可能です。更年期障害、栄養障害、甲状腺機能低下症は血液検査で簡単に診断できます。認知症も問診や認知機能検査で診断が可能です。いずれにせよ、記憶障害の原因を明らかにするための検査を早期に受けることをお勧めします。その結果にしたがって治療を開始することで早期の症状改善につながります。
物の名前が出てこない状態は、認知症でよくある症状のひとつです。
認知症は早い段階で気付き、治療を開始することで進行を遅らせる、改善させることが期待できます。少しでも気になることがあれば、認知症外来を行っている小早川医院にご相談ください。