同じことを何度も言うのは、認知症の兆しかも知れません
同じ内容の話や質問を何度も繰り返すのは、認知症の特徴的な初期症状です。主に以下の3つの原因によって引き起こされる症状です。
- 記憶障害
直前に言ったことでもすぐに忘れてしまい、同じことを繰り返し言ってしまいます。 - 保続
保続というのは、脳の神経細胞の変性によって思考の切り替えができなくなるため、同じ言葉や行動を繰り返してしまう現象です。例えば、年齢を問われて「80歳です」と答えた後、何を問われても「80歳です」と答えてしまうのです。 - 見当識障害
見当識障害があると、今置かれている状況が理解できず、確認のためにその日の日付けなどを繰り返し質問してしまうことがあります。 - 精神的な要因
認知症の方は、自分に入ってくるさまざまな情報を適切に処理することが難しくなっているため、常に不安を感じています。安心できる状態だと“確認”したくて、何度も同じことを聞いてしまうのです。
同じことを何度も言うときの対応
介護している家族の方は、何度も同じことを聞かれるとついイライラして、「さっき、言ったでしょ?」「何度も同じことを聞かないで」など怒ってしまいがちです。すると本人は「ちゃんと聞いてもらえていない」と感じ、余計に何度も同じ言葉を繰り返します。自分が納得できるような対応をしてもらえないことで、不安を感じてしまうのです。もの忘れがあり、見当識障害や記銘力の低下が考えられる場合は、その質問が何度目であっても、はじめに尋ねられたときと同じように答えましょう。もし不安そうにしてたり、納得していない様子だった場合は、何が不安なのかを考える必要があります。
同じことを何度も繰り返したり、聞いてきたりするのは認知症でよくある症状のひとつです。
早い段階で気付き、治療を開始することで認知症の症状は進行を遅らせる、改善させることが期待できます。少しでも気になることがあれば、認知症外来を行っている小早川医院にご相談ください。