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2011.12.18更新

健康長寿のための糖質制限(低炭水化物)食・・その1

当院では、糖尿病、メタボリック症候群、脂質異常症、肥満の食事療法として糖質制限(低炭水化物)食に力を入れています。この方法は従来の総カロリーを制限する食事療法に比べて血糖・肥満度・脂質の改善に関しては有利であることは明らかになっています。
この方法の安全性に関する重要な研究結果が、昨年秋にハーバード大学から報告されました。その内容は「動物性脂肪・蛋白質を中心とした糖質制限(低炭水化物)食では、通常のカロリー制限食に比べて総死亡、脳卒中や心臓病による死亡、および癌による死亡が増加したが、植物性脂肪・蛋白質を中心とした糖質制限(低炭水化物)食では総死亡、脳卒中や心臓病による死亡は減少し、癌による死亡は同等であった。」というものでした。この結果は、安易な糖質制限に警鐘を鳴らすものでありました。糖質制限(低炭水化物)食で血糖・脂質・肥満が改善したとしても、寿命が縮まってしまっては意味がないわけです。そこで、摂取する脂肪・蛋白質の内容が問題になってきます。
現代の食生活では、糖質を制限して、その分脂肪や蛋白質の摂取量を増やすという食事療法を行った場合、どうしても肉食が増え、摂取する脂肪の内容が動脈硬化を促進させる方向(すなわち、飽和脂肪酸やトランス脂肪酸が増える方向)に偏りがちです。
当院では、単に炭水化物を制限して、脂肪・蛋白質の摂取量を増やすというだけでなく、その脂肪・蛋白質が動物性のものに偏らないような栄養指導を心がけています。植物性脂肪・蛋白質を十分に摂取し、動物性脂肪・蛋白質についても、肉と魚のバランスが取れた糖質制限(低炭水化物)食の確立が最終的な目標です。それは、単に糖尿病やメタボリック症候群の食事療法にとどまらず、一生を通じて実践できる、健康長寿のための食習慣と言えるものになると思います。

2011.12.09更新

生活習慣病と老化

人間の身体機能は20歳~25歳の青年期をを過ぎると衰え始め、年齢とともに低下して行きます。これが「老化」です。
老化はすべての人に起こる現象ではありますが、その程度には大きな個人差があります。私は内科医として多くの生活習慣病の患者さんを治療してきましたが、複数の生活習慣病があり、それらがうまくコントロールされていない人は老化のスピードが速いという実感があります。
生活習慣病は、以前は「成人病」と呼ばれていました。40歳前後から発症し、働き盛りの人に多い病気ということでそのように呼ばれていたのです。しかし、年齢ではなく「生活習慣」が原因であることが分かり、より適切な名称として、平成8年に「生活習慣病」と改められました。
生活習慣病の代表的なものとして、糖尿病、高血圧、脂質異常症、脳血管障害、心臓病 (狭心症、心筋梗塞)、がんなどがあります。このうち糖尿病、高血圧、脂質異常症は、自覚症状はないことが多く、長い経過で徐々に進行し、全身の動脈硬化(=血管の老化)を引き起こします。動脈硬化は脳血管障害、狭心症・心筋梗塞などの心臓病の原因となります。脳血管障害は認知症の原因となり、心筋梗塞は心臓の働きを低下させるため、日常生活の活動度(ADL)を低下させます。つまり、生活習慣病が老化を促進し、それが新たな生活習慣病の発症につながり、老化がさらに進行するという悪循環が生じやすいのです。この悪循環を断ち切るためには、まず、高血圧、糖尿病、脂質異常症などの生活習慣病をしっかりと予防・治療する必要があります。健診などで血圧、血糖、コレステロール、中性脂肪などの異常を指摘された方は、たとえ症状がなくても、早めに内科を受診されることをお勧めします。

高血圧、糖尿病、脂質異常症の予防・治療は「アンチエイジング(老化予防)」の基本と言えるでしょう。

2011.11.02更新

名古屋市昭和区にある小早川医院です

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