名古屋認知症・物忘れ相談室
監修医院:小早川医院

  • 名古屋市昭和区前山町1-19無料駐車場完備
  • ご予約・お問い合わせ 052-752-0800

食事を食べたことを忘れる

食事を食べたことを忘れるのは、認知症の兆しかも知れません

物忘れのある認知症の患者さんによく見られる症状の一つに、食べたことを忘れ「ご飯を食べていない」と再度食事を要求するということがあります。脳の萎縮によって満腹中枢の機能が衰えることで食欲が亢進し、いくら食べても満腹にならないことが原因として考えられます。特にアルツハイマー型認知症の患者さんでは認知機能の低下によって食事をしたこと自体を忘れてしまうエピソード記憶の障害も加わり「ご飯を食べていない」と訴えることが多いようです。食べたことを忘れて空腹を訴えている患者さんに食べ物を与えないと「自分だけが食べさせてもらっていない」という被害者意識や「これからも何も食べさせてもらえないのではないか?」という不安感が増幅し、暴言・暴力、夜間に起きだして冷蔵庫の中身をあさる(盗食)などの問題行動を誘発することがあります。家族も盗食などの問題行動を目にすると、驚いて本人を責めてしまいがちになり、それがさらなる問題行動の引き金になるという悪循環に陥ります。

「まだご飯を食べていない」と言われた時の対応

家族の対応として重要なことは、まず「まだご飯を食べていない」という本人の思い込みを理解し、否定せずに認めてあげることです。すでに食べていることを説得しようとすると、本人は納得せずますます興奮させることになってしまいます。
「今準備しているから、ちょっと待っててね」と声かけをする、少量のおにぎりや果物などをとりあえず食べさせておくなどの対応で解決することが多いが、それでも満足しない時にはもう一度食事をさせることもやむを得ないでしょう。このようなことを繰り返すようであれば、最初から少なめの食事を出すというような工夫も必要になります。

食事を食べたことを忘れ、食べた直後に「まだ食べていない」「早く用意をしろ」などと言うのは、認知症でよくある症状のひとつです。
早気い段階で気づき、治療を開始することで認知症の症状の進行を遅らせる、改善させることが期待できます。安心して介護を続けるためにも早期発見、早期治療が大切です。少しでも気になることがあれば、認知症外来を行っている小早川医院にご相談ください。

pagetop