物忘れに気付いたら、それが単に加齢によるものなのか、MCI(軽度認知機能障害)あるいは軽度認知症によるものなのかを判断する必要があります。加齢による物忘れは体験したことの一部のみを忘れる、ヒントがあると思い出せる、忘れやすいことを自覚しているなどの特徴があるのに対して、MCIや認知症による物忘れは体験したこと自体を忘れる、ヒントがあっても思い出せない、忘れたことを自覚していないなどの違いがあります。加齢による物忘れはあまり進行せず、日常生活に支障はありません。MCIや認知症では思考力や判断力の低下、季節や場所がわからなくなる、などの症状も見られ、症状は進行性です。MCIは認知症の前段階であり、日常生活には支障をきたしませんが、認知症になると支障が出てきます。
高齢者が日常生活の中で忘れることが増えてきたら、ご家族は注意する必要があります。MCIや認知症は早期発見、早期治療が大切ですので、少しでも異変を感じたら日常生活に支障が出る前に、早めに医療機関を受診させてください。簡単な問診と認知機能検査で治療が必要な状態かどうかを判断することができます。
物忘れがひどい状態は、認知症でよくある症状のひとつです。しかし加齢に伴う物忘れと、認知症が原因となる物忘れは大きく異なります。
認知症は早い段階で気付き、治療を開始することで進行を遅らせる、改善させることが期待できます。少しでも気になることがあれば、認知症外来を行っている小早川医院にご相談ください。
当院では「コウノメソッド」と呼ばれる認知症治療を行っております。
コウノメソッドとは河野和彦氏が提唱した認知症治療法です。認知症と一言で言っても、アルツハイマー型認知症、レビー小体型認知症など複数の病型に分類されます。
通常の認知症治療では、上記の認知症の類型に関係なく同じ薬が処方されることがあります。
これに対してコウノメソッドは、認知症のタイプや進行度に応じて薬を選択する点が特徴的な治療方法です。
患者一人ひとりの症状や状態に応じて、個別に最適な薬を選定し、最小限の薬で最大の効果を目指す治療を行います。個々の患者様に適したきめ細やかな治療を行うため、結果として副作用を最小限に抑えながら症状改善を目指すことができる治療方法です。
また、コウノメソッドは患者様ご本人だけではなく、介護者の方の負担に関しても着目しており、患者様と介護者、双方の視点に立った治療方法です。
コウノメソッドについて詳しく知りたい方は下記もご参照ください。