2016.06.26更新
全世界の糖尿病人口が35年間で4倍に急増!
世界保健機構(WHO)の主導で実施された全世界規模の疫学調査によって、世界の糖尿病人口は1980年から2014年の35年間で、1億800万人から4億2200万人と約4倍に増加したことが明らかになりました。日本の糖尿病人口はこの期間に470万人から1080万人と2倍以上に増加しましたが、全世界の糖尿病人口に対する比率では4.4%(5位)から2.6%(7位)に低下しました。
2014年時点での糖尿病人口のトップ5は中国、インド、米国、ブラジル、インドネシアで、全世界の糖尿病患者の約50%がこれら5か国に住んでいるということになります。
糖尿病人口の増加速度は高所得国よりも低~中所得国で大きくなる傾向が明らかでした。所得の低い国では交通機関も不便で家事の負担を軽減する家電製品も普及していないので、高所得国よりも運動量は増えるはずですが、それ以上に最も安価に手に入る栄養素である糖質(炭水化物)の消費量(特にジャンクフードやファストフードに由来するもの)が多くなっているのではないかと推測され、これが糖尿病の発症率の急上昇につながっているのではないでしょうか?
子供のころから肥満・糖尿病になりにくい食習慣を身につけさせるための「食育」が今後いっそう重要性を増してくるでしょう。医学と栄養学がタッグを組んで糖尿病の予防に取り組む必要があります。その際に、「糖質の摂取量をコントロールする」という糖質制限の原理が大きな役割を果たすでしょう。
2016.06.24更新
認知症治療薬の投与量の適正化に大きな一歩!
去る6月1日、厚生労働省は国保中央会と社保支払基金に対し、認知症治療薬の投与量に関して重要な事務連絡を行いました。
その内容は、添付文書に定められているよりも少ない用量で認知症治療薬が投与されたからという理由で、画一的に査定(保険点数の請求を認めないこと)を行うのではなく、レセプト(診療報酬の請求書)に記載されている少量投与の理由も検討した上で、個々の事例を医学的に判断して審査することを求めるものでした。
これによって、認知症治療薬の投与量を主治医の裁量で自由に決められるようになったわけではありませんが、合理的な説明さえつければ低用量の処方が認められるということであり、投与量の適正化に向けての大きな一歩といえるでしょう。抗認知症薬の副作用で苦しんでいる方が非常に多い現実を考えると、認知症の患者さんやその介護者にとっては大きな福音ですね。
昨年秋に結成された「抗認知症薬の適量処方を実現する会」(代表:長尾和宏先生)による政治家への積極的な働きかけが早くも功を奏しているようです。今後、この会がさらに大きな影響力を持つようになり、それが認知症ののよりよい治療につながることを期待したいと思います。
2016.06.05更新
『健康に良い』オメガ3脂肪酸の落とし穴
えごま油や亜麻仁油に多く含まれるαリノレン酸や魚油に多く含まれるEPA,DHAなどのオメガ3脂肪酸は、悪玉コレステロールを下げて動脈硬化を予防することがわかっており、最近『健康に良い脂肪酸』として注目されています。当院でも糖尿病やメタボで糖質制限をされている方の栄養指導で、良質の脂質としてえごま油、亜麻仁油、魚油をお勧めしています。糖質制限食では糖質を減らす代わりに脂質の摂取を増やす必要があるので、摂取する脂質の質は非常に重要なのです。
但しここで一つ注意しなければならないポイントがあります。それは、これらのオメガ3脂肪酸は常温~高温では非常に酸化されやすいということです。
オメガ3脂肪酸は酸化されると毒性の強い過酸化脂質になります。大部分は消化管で分解されて毒性が弱められますが、数%は体内に吸収され細胞の機能異常を引き起こすことがわかっています。それが動脈硬化や認知症につながると考えられています。
えごま油、亜麻仁油、魚油などのオメガ3脂肪酸を多く含む油を保存する際には、密封して冷蔵保存する必要があります。そして加熱用の使用は避けなければいけません。
2016.04.30更新
糖尿病性骨粗鬆症
骨量が減少して骨が脆弱になり、わずかな外力でも骨折しやすくなった状態を骨粗鬆症と呼びます。加齢によって骨の脆弱性は増してゆきますが、糖尿病になるとその速度が増すことがわかっています。その結果、糖尿病の患者さんではそうでない人に比べて2~4倍も骨折のリスクが高いといわれています。糖尿病に合併した骨粗鬆症は「糖尿病性骨粗鬆症」と呼ばれています。骨密度が正常であっても骨折のリスクが高いのが特徴です。
糖尿病性骨粗鬆症の原因は以下のようにまとめることができます。
1.高血糖による「糖化」によりコラーゲンの化学構造が変化し、骨のしなやかさが失われることにより骨の強度が低下する。
2.インスリン作用の不足により骨形成が正常に行われないため骨量が減少する。
3.肥満を伴う糖尿病では、脂肪組織が増加してそこから多くのステロイドホルモン(糖質コルチコイド)が分泌されます。これが骨吸収をする破骨細胞を増殖させるため、骨量が減少してしまう。
糖尿病性骨粗鬆症を予防するためには適切な糖質制限、運動、薬物療法によって食後高血糖や肥満を防ぎ、インスリン抵抗性を改善することが重要です。
2016.04.02更新
すばらしいラーメン発見!
皆さんこんにちは。
管理栄養士の江口です。
今日は糖尿病やメタボで糖質制限をされている方にぴったりのラーメンをご紹介します。
もう数十年名古屋に住んでいますが、初めてこのラーメンの存在を
先日知りました。
「ラーメン福」さんのラーメンです。
こちら ↓
左が通常サイズ 右側のもやしがてんこ盛りのラーメンが倍増したもの。
で、お隣の方が倍増されていたのでついつい頼んでしまいました。
お値段600円、もやし倍増してもお値段据え置き!!
そしてラーメンの麺は半分に減らすこともできます。←ここは値段変わりません。
もやし、、、おそらく1袋以上と想像できます。
スーパーなので売られているもやしは1袋200g~250g。
そして栄養価はといいますと
250gで
エネルギー93kcal
たんぱく質9.3g
脂質3.8g
炭水化物5.8g
しかも不溶性の食物繊維が5.3g、水溶性食物繊維が0.5gと
炭水化物ー食物繊維=糖質
な・の・で
純粋な糖質量はゼロということになります。
すばらしいローカーボ食品ですね。
他にはカルシウムのほか免疫力を高めるビタミンC、
血圧を下げることが期待できるカリウムなども含まれています。
ビタミンCもさっとゆでないと失われがちですが、ラーメン福さん
さっと茹でていました!!
当医院に通われている患者さん。
ラーメン好きな方が本当に多いです。
通常の中華そばを食べてしまうと
エネルギー500kcal
炭水化物84g
程になります。
麺を半分にするだけで炭水化物の量を44gに出来ますね。
そしてもやしを先に食べることで血糖値の上昇を緩やかにする
効果もあります。
ローカーボしていても美味しく外食を味わっていただきたいので
これからもラーメン福さんのような素敵なお店を見つけて皆さんに
ご紹介していきたいと思います。
ちなみに食いしん坊の私は麺を半分にしなかったので案の定、、、
食べられず、、息子に麺を食べてもらう羽目になりました。。。。
あ、でも、ちゃんともやしは完食しましたよ
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