2012.06.14更新
糖尿病の血管合併症・・その4(糖尿病性神経障害)
糖尿病性神経障害は、網膜症や腎症に比べて早期から出現し、頻度も高い障害です。両側の足先、足裏にしびれ、痛み、感覚低下、感覚異常のいずれかが見られますが、徐々に進行し、ご本人が訴えなければわからないので、発見が遅れることが多いのが特徴です。日本臨床内科医会が2000年に行った糖尿病患者さん12821人を対象とした全国調査では、36.7%に神経障害が見られました。糖尿病性神経障害が長引くと、生活の質が著しく低下し、突然死の原因となることもあり、侮れない合併症です。
予防法は何と言っても血糖を良好にコントロールすることです。!
2012.06.13更新
糖尿病の血管合併症・・その3(糖尿病性網膜症)
糖尿病性網膜症は日本人成人の失明の原因の第2位を占めています。(1位は緑内障)
1997年に行われた日本人の糖尿病患者約13000人の全国調査では、1型糖尿病患者の29%,2型糖尿病患者の23%に網膜症が認められています。
糖尿病性網膜症は、糖尿病に罹ってからの期間が長いほど、血糖コントロールが悪いほど、また血圧が高いほど起こりやすいことがわかっており、血糖、血圧のコントロールを治療で改善すると発症を予防できることも確認されています。
HbA1c7.4%(国際基準=NGSP)未満の患者さんと比較して、HbA1c7.4~8.3%の患者さんでは約2倍、8.4~10.3%の患者さんでは約3.5倍、10.4%以上の患者さんでは7.6倍も糖尿病性網膜症が起こりやすいことが明らかになっています。また、HbA1c7.4未満であっても、糖尿病性網膜症が起こる場合もあるので、網膜症予防のためには厳格な血糖コントロール(HbA1c 6.9以下)が必要です。
2012.06.11更新
糖尿病の血管合併症・・その2(糖尿病性腎症)
日本では、糖尿病性腎症は1998年以来、透析に導入される原因のトップです。2006年の統計によると、糖尿病性腎症は新規透析導入者の原因疾患の43%を占めています。糖尿病性腎症が悪化し、腎機能が低下してくると、死亡のリスクが高まることも明らかになっています。糖尿病性腎症は、糖尿病患者さんの健康長寿を脅かす危険な合併症と言えるでしょう。
糖尿病性腎症を発症しやすくする要因として、血糖、血圧、喫煙が重要であることがわかっています。
喫煙については、一日当たりの喫煙本数、喫煙機関、生涯喫煙量のいずれも、腎症の発症リスクを高めます。
また、HbA1c 6.5%程度の血糖コントロールが良好な患者さんでは、血圧を低めに保った方が腎症の発症・進行のリスクが低下することも明らかになっています。こうした理由から、当院では、糖尿病患者さんの血圧のコントロール目標を130/80未満に設定しています。
2012.06.10更新
糖尿病の血管合併症・・その1
血糖値(特に食後の血糖値)が高いと血管に炎症が起こり、動脈硬化が進みます。
このような変化が目、腎臓、神経の毛細血管(最も細い血管)に起これば網膜症、腎症、神経障害といった細小血管合併症が生じ、心臓の冠動脈、脳動脈、末梢動脈に起これば虚血性心疾患、脳卒中、閉塞性動脈硬化症などの大血管合併症が生じます。
日本では、網膜症によって毎年約3000人が失明し、腎症によって毎年約15000人が透析に導入されています。また、大血管合併症も、糖尿病の初期から発症し始め、糖尿病の患者さんの生命予後を悪くしています。(糖尿病の患者さんは糖尿病でない人に比べて男性で10年、女性で15年ほど平均余命が短いというデータが出ています。)
私は、糖尿病治療の目標は合併症を予防して健康寿命を延ばし、生活の質を保つことにあると考えています。
今週は、糖尿病治療のカギとなる血管合併症について、何回かに分けてご説明して行きます。
小早川医院 院長
2012.06.02更新
プラセンタで花粉症が改善しました!
プラセンタ注射を始めて3ヶ月
週2回 2アンプルずつ計4アンプル
腕にお尻にお腹にと、そういえば太ももにも注射しました。
私の場合、針を刺した場所に内出血が起こりやすいので注射する場所を毎回変えました。
私は以前から花粉症による鼻炎と皮膚アレルギー(蕁麻疹)で悩んでいたのですが、プラセンタ注射を始めて以来、
鼻炎の症状が軽くなり、皮膚のかゆみも改善しています。
だいぶ症状が良くなったので、これからは週に1回 2アンプル注射して行くことになりました。
ところで、またまたプラセンタ注射をしている患者さんからの情報ですが、床屋さんに月1回だったのが
月に2回に増えたそうです。
もう1人の患者さんは、美容院で髪の毛につやが出てきたと言われたそうです。
人それぞれですが、プラセンタの注射を続けている方はみなさん元気です。
一度先生に相談してみては★
看護師 山本明代
2012.06.01更新
当院スタッフの糖質制限(低炭水化物)食体験記・・その4
糖質制限(低炭水化物)ダイエットを始めてもうすぐ一年になります。だいぶ慣れてはきたのですが・・・
最近のコンビニにはおいしいスイーツがたくさんあって、お手軽な値段で簡単に買えますよね
コンビニに行くとついつい目がいってしまい、誘惑に負けそうになります。
というか、負けてしまうこともたびたび・・・・・(泣)
自分へのご褒美の回数が増えないように気をつけなくては(笑)
スタッフA
2012.05.31更新
便秘に効く漢方薬
私は昔から便秘症で、なかなか調子よく便が出ませんでした。ヨーグルトを食べたり、食物繊維を多く含んだ食品をなるべくたくさん食べるように気をつけていましたが、なかなか続かず・・・ 下剤を飲むとお腹が痛くなるし。
それを院長に相談したところ漢方薬を勧められました。防風通聖散(ボウフウツウショウサン)という漢方薬なのですが、これを飲むと便も柔らかくなり、便通もよくなりおなかが張ることもなくなりました。
漢方薬なので安心して飲めますしね。便秘でお悩みの方、一度お試しの価値ありです!
事務 阪野知子
2012.05.28更新
糖化(その3)・・・糖化とアンチエイジング
2日間にわたって糖化のお話をしてきました。糖化が老化やいろいろな病気にかかわっていることがお分かりいただけたと思います。
そして、糖化の予防がアンチエイジングにつながることもわかっていただけたのではないでしょうか。
糖化を防ぐためには、血糖値をできるだけ上げないことが大切です。そのためには、次のような事に注意が必要です。
①すなわち糖質(炭水化物)を摂り過ぎないこと
②糖質(炭水化物)を摂取するときは、できるだけ吸収の遅い物、つまりGI(Glycemic Index)の低い物*を摂ること。
③食事のときには、まず最初に食物繊維の多い野菜類を食べることにより、糖分の吸収を抑える。
当院では、糖尿病やメタボリック症候群、肥満の患者さんに糖質制限(低炭水化物)食をお勧めしていますが、今までにご説明したことから明らかなように、緩やかな糖質制限は全ての人に採り入れていただける、健康長寿のための食習慣であると考えています。
* 精製度の低い物ほどGIが低いと言えます。例えば 白米>玄米 白い食パン>全粒分のパン、ライ麦パンなど 精製小麦のパスタ>全粒分のパスタ
2012.05.27更新
糖化(その2)・・・糖尿病でない人にも起こっている加齢現象
糖化は、糖尿病の人に限らず誰の体内でも起こっている現象で、最近では老化を引き起こす大きな要因であると考えられています。
そのため、アンチエイジング(抗加齢医学)の分野でも注目を集めるようになっています。
皮膚の主要な構成成分の一つにコラーゲンがあります。コラーゲンはバネの様な構造をもったタンパク質で、肌の弾力を保つ役割をになっています。このコラーゲンが糖化すると、硬くなり肌は弾力を失ってしまうのです。これが、皮膚の老化の原因の一つと考えられています。
また、最近の研究で、骨を構成するコラーゲンが糖化をおこすことで、病的骨折につながるということもわかってきています。
さらに、脳細胞の糖化が、アルツハイマー型認知症を発症する原因になるのではないか、という説もあります。 (次回に続く)
2012.05.26更新
糖化(その1)・・・糖尿病との関係
「糖化」とは、タンパク質と糖が反応した結果起こる現象のことです。最近、この言葉が糖尿病やアンチエイジングの分野で注目を集めています。
今から100年ほど前に、フランスの科学者 メイラード博士が、食品中のタンパク質と糖の間で、酵素を介さない反応が起こり、食品の色や風味、食感に変化が生じることを発見したのが、糖化に関する研究の始まりといわれています。例えば、肉やホットケーキなどを焼いた時の色、風味、食感の変化は、このメイラード反応(糖化)によって生ずるのです。
食品を加工する時に起こっているこの「糖化反応」は、実は人間の体内でも起こっていることが、最近の研究で明らかにされました。
例えば、糖尿病で、体内の糖が過剰になった時、それを処理する反応として、糖とタンパク質が反応する、これが人間の体内で起きる糖化反応です。神経障害、網膜症、腎症など糖尿病の合併症の発症にも糖化が大きな役割を果たしていることがわかっています。
実際に、血液中の糖化物質(タンパク質と糖が反応してできたもの)の濃度が、糖尿病合併症の早期のマーカーとして応用され始めています。 (次回に続く)
ARTICLE
SEARCH
ARCHIVE
- 2025年7月 (1)
- 2025年6月 (1)
- 2025年5月 (1)
- 2025年4月 (1)
- 2025年3月 (3)
- 2025年2月 (2)
- 2025年1月 (2)
- 2024年12月 (4)
- 2024年11月 (3)
- 2024年10月 (2)
- 2024年9月 (1)
- 2024年8月 (3)
- 2024年7月 (4)
- 2024年6月 (4)
- 2024年5月 (3)
- 2024年4月 (4)
- 2024年3月 (4)
- 2024年2月 (4)
- 2024年1月 (4)
- 2023年12月 (3)
- 2023年11月 (5)
- 2023年9月 (3)
- 2023年8月 (3)
- 2023年7月 (2)
- 2023年6月 (1)
- 2023年5月 (5)
- 2023年4月 (1)
- 2023年3月 (3)
- 2023年2月 (2)
- 2023年1月 (2)
- 2022年12月 (3)
- 2022年11月 (1)
- 2022年10月 (5)
- 2022年9月 (5)
- 2022年8月 (2)
- 2022年7月 (4)
- 2022年6月 (3)
- 2022年5月 (4)
- 2022年3月 (4)
- 2022年2月 (3)
- 2022年1月 (5)
- 2021年12月 (4)
- 2021年11月 (7)
- 2021年10月 (3)
- 2021年9月 (5)
- 2021年8月 (4)
- 2021年7月 (4)
- 2021年6月 (4)
- 2021年5月 (4)
- 2021年4月 (3)
- 2021年3月 (8)
- 2021年2月 (4)
- 2021年1月 (5)
- 2020年12月 (5)
- 2020年11月 (1)
- 2020年10月 (8)
- 2020年9月 (2)
- 2020年8月 (6)
- 2020年7月 (1)
- 2020年6月 (1)
- 2020年4月 (2)
- 2020年3月 (1)
- 2019年12月 (2)
- 2019年11月 (1)
- 2019年8月 (1)
- 2019年6月 (1)
- 2019年3月 (3)
- 2019年2月 (2)
- 2019年1月 (1)
- 2018年12月 (1)
- 2018年11月 (5)
- 2018年10月 (2)
- 2018年9月 (3)
- 2018年8月 (2)
- 2018年7月 (1)
- 2018年6月 (1)
- 2018年1月 (2)
- 2017年12月 (2)
- 2017年11月 (1)
- 2017年10月 (2)
- 2017年9月 (2)
- 2017年8月 (1)
- 2017年7月 (3)
- 2017年6月 (2)
- 2017年5月 (2)
- 2017年3月 (3)
- 2017年2月 (3)
- 2017年1月 (3)
- 2016年12月 (4)
- 2016年11月 (4)
- 2016年10月 (2)
- 2016年9月 (1)
- 2016年8月 (2)
- 2016年7月 (3)
- 2016年6月 (5)
- 2016年5月 (1)
- 2016年4月 (3)
- 2016年3月 (1)
- 2016年2月 (5)
- 2016年1月 (6)
- 2015年12月 (3)
- 2015年11月 (4)
- 2015年10月 (2)
- 2015年9月 (1)
- 2015年8月 (2)
- 2015年7月 (3)
- 2015年6月 (1)
- 2015年5月 (7)
- 2015年4月 (7)
- 2015年3月 (5)
- 2015年2月 (7)
- 2015年1月 (5)
- 2014年12月 (7)
- 2014年11月 (7)
- 2014年10月 (7)
- 2014年9月 (6)
- 2014年8月 (7)
- 2014年7月 (8)
- 2014年6月 (3)
- 2014年5月 (3)
- 2014年4月 (5)
- 2014年3月 (4)
- 2014年2月 (4)
- 2014年1月 (5)
- 2013年12月 (7)
- 2013年11月 (7)
- 2013年10月 (11)
- 2013年9月 (10)
- 2013年8月 (9)
- 2013年7月 (7)
- 2013年6月 (10)
- 2013年5月 (10)
- 2013年4月 (9)
- 2013年3月 (9)
- 2013年2月 (10)
- 2013年1月 (11)
- 2012年12月 (10)
- 2012年11月 (8)
- 2012年10月 (8)
- 2012年9月 (10)
- 2012年8月 (8)
- 2012年7月 (21)
- 2012年6月 (17)
- 2012年5月 (14)
- 2012年4月 (10)
- 2012年3月 (15)
- 2012年2月 (7)
- 2012年1月 (4)
- 2011年12月 (4)
- 2011年11月 (1)