2012.02.11更新
炭水化物は糖尿病を悪化させるだけでなく老化を早める・・・その3
最近アメリカで行われた大規模研究の結果、次のような重要な事実が明らかになっています。
① 動物性脂肪(飽和脂肪酸)を減らして炭水化物に置き換える食事療法では、心臓病や脳卒中が増加する。
② このような食事療法では、脂肪を減らしたにもかかわらず、中性脂肪は上昇し善玉コレステロール(HDL-コレステロール)は 低下 してしまう。
従来は、脂質異常症や動脈硬化には動物性脂肪が悪者と考えられていたのですが、それよりも炭水化物の方が悪いということが証明されたわけです。
炭水化物(特に砂糖、白いパン、白米など精製されたもの)は習慣性があります。炭水化物を摂取して血液中のインスリン濃度が上昇すると、トリプトファンというアミノ酸の濃度も上昇することが知られています。トリプトファンは心の安定と関連する脳内の神経伝達物質であるセロトニンの原料です。ですから、炭水化物をたくさん摂取していた人が急にやめようとすると、強い空腹感、疲労感、不安、抑うつなどの「禁断症状」を経験することになります。
皆さんのまわりにも、「腹が減るといらいらする。スナックやソフトドリンクで気分が落ち着く」という人がいるのではないでしょうか?
こういう人は一種の「炭水化物依存症」であると言えます。そして、多くの場合肥満気味で、血圧、血糖、あるいは脂質の異常を持っています。
炭水化物依存症の人は動脈硬化、心臓病、脳卒中のリスクが高くなり、その結果、老化が早く進みやすいと言えます。そいう意味ではニコチン依存症と似ています。ヘビースモーカーが意を決して禁煙治療を受けるように、炭水化物依存の傾向のある方は、医師や栄養士の指導のもと、低炭水化物(糖質制限)食を実践する必要があります。