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2013.10.16更新

糖尿病・メタボのための低糖質なお菓子

こんにちは。管理栄養士の坂井です。

10月に入ってもまだ台風で気候がなんだかおかしいですね。暑かったり寒かったり温度調節が大変ですが、体調をくずさないようにしたいものです。

さて、食欲の秋到来ですlovelyりんご、柿、栗、さつまいも、かぼちゃなどなど、秋は糖質の多い食材が美味しい季節でもあります。

こんな食材の美味しい季節に食べるのを我慢するなんて・・・。いえいえ、旬のものにはとても栄養価が高く味もいいのでぜひ、味わってください。しかし、量を守って少量ずづ楽しんでいただければ糖質制限もそんなに苦ではないはずです。

さて、今回は糖質制限している方の味方!低糖質なお菓子の紹介です。

最近、テレビCMでおなじみの「ソイカラ」です。downwardleft

大豆の粉からできており、小麦粉を使ったスナック菓子より断然低糖質!!

1袋で糖質11.6gと低糖質♪

間食の糖質量として5gが理想なのですが、このソイカラ半分がそれくらいの量に相当しますよね。
味はとても素朴で優しい味です。大豆の粉のにおいなどはなく中にチーズチップが入ってほんのり塩味♪

1袋27gと少ないな~という気もしますが、ソイカラひとつぶが1g以下なので数はいっぱい入っているのです。

↑2粒のせても秤が動きませんでした・・・。

こういった低糖質なお菓子ですが、いくら低糖質だからといってたくさん食べるのは禁物!!1袋を2~3回にわけて2~3日でなくなるくらいで食べましょう。

ちなみにスーパーや薬局で購入できます♪美味しく、楽しく、たまにはこういった低糖質なお菓子を楽しみながら血糖コントロールしていきましょう♪

2013.10.15更新

高齢の方や糖尿病の方に肺炎球菌ワクチンをお勧めします

23価肺炎球菌ワクチンは、1回の接種で肺炎球菌の23種類の型に対して免疫をつけることができます。現在90種類以上の肺炎球菌の型が報告されていますが、この23種類の型で成人の肺炎球菌による感染症の80%以上がカバーできます。しかし、免疫が未熟な乳幼児では、多糖体を有効成分としたこのワクチンでは必要な免疫反応を引き起こすことができません。

接種対象者は、2歳以上で肺炎球菌による重い疾患にかかる危険が高い次のような人です。個人差がありますが、1回の接種で5年以上の効果が期待できます。

・高齢者 (65歳以上の方は名古屋市の補助が受けられます。)
・脾臓の摘出手術を受けた人(保険適用あり)
・鎌状赤血球疾患、その他脾臓機能不全である人
心疾患・呼吸器疾患の慢性疾患、腎不全肝機能障害糖尿病、慢性髄液漏等の基礎疾患がある人
・免疫抑制の治療を予定されている人(治療まで14日以上余裕のある人)

なお、初回接種から5年以上経過した肺炎球菌による重い疾患にかかる危険性が極めて高い方やワクチンによる抗体濃度が急激に低下する可能性のある方は、再接種の対象者となっています。ただし、1回目に注射した後、5年以内に再接種をした場合は、注射した部分が硬くなる、痛む、赤くなるなどの症状が強く出ることがあるので、再接種の際は必要性を考慮し十分な間隔を空けるなど注意が必要です。

2013.10.13更新

糖尿病発症の予防対策をどの時点で開始すべきか?・・EASDより(その7)

東京女子医大の田中先生らは、糖尿病の発症を推測するための、日本人における空腹時血糖値とHbA1c値の基準値を決めるための研究を行い、その成果を今回のEASDで発表しました。

対象は2006年2月から2007年1月の間に健康診断を目的に埼玉県済生会栗橋病院を受診した、空腹時血糖値が126mg/dl未満の3826人とHbA1c値が6.5%未満の2772人で、約4年間の観察期間の間に一度でも空腹時血糖値が126mg/dl以上、あるいはHbA1cの値が6.5%以上となった場合には糖尿病を発症したと判断しました。

この結果、糖尿病の発症を予測するための空腹時血糖値は100mg/dl, HbA1c値は6.0%であり、これらの値を超えてきた場合には早急に食事療法、運動療法などの発症予防のための対策を講ずる必要があるという結論が得られました。

この値は、我々開業医の臨床的感覚とも一致しており、実用的な基準値であると思います。実際に、このような値の方が、数年後に糖尿病を発症されるのをよく経験します。

健康診断や人間ドックでは、空腹時血糖の正常値は109以下、HbA1cの正常値は6.2以下となっていることが多いと思いますが、たとえこの範囲に入っていたとしても、上記の基準値を超えてきた場合には糖尿病の発症の危険性が高まっていると判断して、早めに医療機関に受診されることをお勧めします。

ミラノのスカラ座、ウィーンのオペラ座と並ぶヨーロッパ三大歌劇場
の一つであるリセウ大劇場のエントランス
                  ↓

2013.10.11更新

「体脂肪量」の増加は2型糖尿病の発症リスクを高める!・・EASDより(その6)

韓国のSoonchunhyang University の C.H.Kim先生らは、体脂肪量の増加が2型糖尿病の発症リスクを高めるという研究成果を発表しました。

対象は糖尿病を発症していない20歳から79歳までの1万8687人で、観察期間は平均4.3年です。この期間内に692人(3.7%)が2型糖尿病を発症しました。

2型糖尿病を発症した群は発症しなかった群よりも、観察期間内の体脂肪量の増加が有意に大きかったのですが、体重やBMIの変化量については、この2つの群の間で有意な差はありませんでした。

Kim先生は「2型糖尿病の発症リスクは、もともと肥満しているか否かにかかわらず、体脂肪量の増加で有意に高まることが示された。2型糖尿病の発症予防の観点からは、特に体脂肪量の変化に注意することが必要だ」と結論付けました。

ちょっとくどいですが、池の水面に映った、夜のサグラダ
・ファミリア聖堂です。(昼よりも数段美しいです)
                ↓

2013.10.09更新

糖尿病の方にお勧め・・とっても低糖質!!たまごの栄養について。

こんにちはhappy01管理栄養士の坂井です。

先日、長野県までリンゴ狩りへ行ってきました。長野県って自然がいっぱいで果物も野菜もとっても美味しくて素敵なところですよねheart04
そんな長野県の道の駅でおいしいたまごに出会いました。「会田のたまご」です。
結構有名なたまごらしく、新鮮なうちに卵かけごはんとして食べるのが一番おいしいのだとか。

そんな雑談はいいとして・・・。

 
 
 

 たまごの栄養で一番に思いつくのはなんでしょうか?健康を気にされている方なら誰もが「コレステロール」と口をそろえて言われます。

たしかにたまごはコレステロールが多い食品のひとつです。なのでコレステロールが高いから1日一個までと散々言われてきたと思います。

 しかし、コレステロールは生きていくために必要な栄養素の一つです。LDLコレステロール(悪玉と言われています)は血管などに必要なコレステロールを運び、HDLコレステロール(善玉と言われています。)は余分なコレステロールを肝臓に回収する働きがあります。
しかし、LDLが増えすぎると血管が詰まる動脈硬化を引き起こしてしまいますので摂りすぎはいけません。

 そもそも、なぜたまごはコレステロール値が上がると言われてきたのでしょうか?
それは1900年ごろ、ロシアで実験したのがきっかけとなります。ロシアで「うさぎに卵をたべさせたところ、血中コレステロールが増加し、動脈硬化が起こった。」という実験を行ってからコレステロールは悪者だと言われてしまったらしいのです。
普段は草しか食べていない草食動物のうさぎにいきなり動物性の卵を与えればそれはコレステロールが急激に上がるわけです。
我々人間は雑食動物です。健康な体の持ち主であれば一日にたまごを3~4個食べてもコレステロールは上がらないことも実験の結果でわかっています。
その実験は食事以外に1日に3個づつ、2週間に渡って卵を食べ続ける実験でしたが、血中コレステロール値にはほとんど変化がみられませんでした。それは、黄身に含まれる脂質のレシチンは血中コレステロールを低下させる働きがあるからです。卵はコレステロールが多いのですが卵のレシチンが余分なコレステロールを排出させるのです。

そしてさらにそのレシチンに含まれるコリンという栄養素は記憶・学習にかかわる神経伝達物質でもあり、脳の活性化に働きかけます。実際にそのコリンがアルツハイマー病や認知症の予防に効果があることが実証されているそうです。

その他、ビタミンC以外のほとんどのビタミン、ミネラルを豊富に含んでおります。そしてなんといっても低糖質な食材のひとつでもあります!!糖尿病などの生活習慣病で糖質制限をされている方にはぴったりの食材です。

たまごのたんぱく質は20種類のアミノ酸から構成されており、その中の体内で作ることのできない必須アミノ酸9種類すべてを含むというとっても優秀な食品なのです!!

先ほど述べたようにビタミンCのみ補えないのでレタスやキャベツ、ブロッコリーなどのビタミンC豊富なサラダの上に卵を添えて食べれば補えますよね♪

まだまだある卵の栄養素の秘密!!

これからインフルエンザがはやる季節となりました。卵には風邪を予防する効果もあります。

卵の白身に含まれているリゾチームという酵素は風邪の原因となる細菌を溶かす働きがあるそうです。
これからの季節にとっておきな食材ですね♪

これだけ述べてきましたが、コレステロール値が高い方はコレステロールの高い食品は避けたほうがいいのですが、卵をまったく食べないのではなく、1日1個または1日おきに1個と量を決めて食べましょう。

2013.10.08更新

80歳以上の2型糖尿病にも欧米での第一選択薬は安全で有効(EASDより・・その5)

80歳以上の超高齢者への2型糖尿病治療薬の使用法はまだ確立されておらず、世界の糖尿病治療ガイドラインにも具体的な記述はありません。欧米で2型糖尿病治療の第一選択薬となっているお薬の使用法についても議論が分かれているのが現状です。

ポーランドのMedical University of Lodz の L. Czupryriak 氏らは、年齢が80歳から90歳の2型糖尿病患者さん158人(高齢群)と60歳から70歳の2型糖尿病患者さん112人(対照群)を選び、後ろ向きに3年間追跡しました。

高齢群と対照群の当該薬剤の服用率は、それぞれ62%と82%でした。平均HbA1c値は7.1%と7.8%であり、高齢群で有意に低値でした。低血糖の平均発症率も、それぞれ21%と45%であり、高齢群は対照群の半分以下でした。
一方、血清クレアチニン価については、高齢群が1.19mg/dlに対して対照群は1.02mg/dlと高齢群の方が腎機能がやや低下していました。

脂質に関しても、LDLコレステロール、HDLコレステロール、中性脂肪、全てにおいて高齢群の方が良好な結果でした。

以上よりCzupryriak 氏らは、80歳以上の超高齢者でも当該薬剤の投与は安全かつ有効であると結論付けています。

この研究の内容は、我々の臨床的感覚とも良く一致しています。最終的な結論は、より大規模な研究の成果をまたないといけないとは思いますが、現状ではこのお薬は80歳以上の高齢者にも安全に使える薬といえそうです。

またまたメルセ祭からのひとコマ・・様々な民族衣装をまとった
巨大な人形がバルセロナ市庁舎前の広場を練り歩きます
                  ↓

2013.10.05更新

喫煙はやはり糖尿病発症の危険因子!・・EASDより(その4)

喫煙は2型糖尿病の危険因子とされていますが、飲酒、コーヒーの摂取、運動不足など、様々な非健康的な生活習慣が喫煙と関連しており、それらの影響を十分に考慮した研究はほとんどありません。

オランダのNational Institute for Public Health and the Environment の A.M.W.Spijkerman 先生らは、約24000人のデータを分析し、年齢、教育レベル、身体活動量、飲酒量、コーヒーの摂取量、肉の摂取量、BMIの影響を除外しても、喫煙は明らかに糖尿病発症のリスクを高めるという結論に達しました。

やはり、糖尿病予防のためには禁煙は必須であると言えそうです。

写真はバルセロナの誇る世界遺産の一つ、「カタルーニャ音楽堂」
です。世界遺産とはいっても、今でも定期的にクラシックコンサート
行われる現役のコンサートホールなのです。
このあたりに、ヨーロッパ文化の懐の深さを感じます。
               ↓

2013.10.04更新

低血糖発作後1週間は血栓が形成されやすい!・・EASDより(その3)

有名な大規模研究であるACCORD試験では、2型糖尿病の薬物療法で厳格な血糖コントロールを目指すと、かえって死亡率が上昇することが確認されましたが、その原因が低血糖である可能性が指摘されています。

英国のシェフィールド大学のElaine Y.K.Chow氏らは、この問題を検証するため、10人の糖尿病患者さんでインスリンクランプ法(静脈からインスリンを注入しながら同時にブドウ糖を注入し、一定の血糖値を維持する方法)を用いて、低血糖の状態を実験的に作り出し、低血糖が血栓形成や血管の炎症にどのような影響を与えるかを調べました。

この結果、低血糖が起きた後、最低でも1週間は、血管内で血栓の形成が促進され、血管の炎症が引き起こされると考えられました。「低血糖発作」というと一時的な症状のように聞こえますが、実は低血糖は長時間にわたって血管が詰まりやすい状態を作り出すのだということがわかります。

たとえ1回でも低血糖を起こさない糖尿病治療が求められています。

写真はホテルの窓から見た、バルセロナ中心部の街並みです
                   ↓

2013.10.01更新

糖尿病治療薬が糖尿病の発症を予防する?・・EASDより(その2)

Mというお薬は、2型糖尿病の第一選択薬として全世界で使用されています。50年以上の歴史がある薬で重大な副作用が少ないこと、インスリン抵抗性を改善して血糖を低下させる作用があることが証明されている一方、薬価は安いので、非常にコストパフォーマンスの良い治療薬といえます。

今回のEASDでも、このお薬に関する発表が数多くみられました。中でも注目を集めていたのが、ブルガリアのソフィア大学の Petya Kamenova先生の研究です。

52人の高インスリン血症のあるメタボリックシンドロームの患者さんに1年間当該薬剤を投与したところ、LDLコレステロール(悪玉コレステロール)・中性脂肪が低下し、HDLコレステロール(善玉コレステロール)は上昇しました。血糖値は徐々に低下し、インスリン抵抗性も改善しました。

これらの結果からPetya先生は、「高インスリン血症のあるメタボリックシンドロームの患者さんでは、当該薬剤が心血管病(脳卒中、狭心症、心筋梗塞など)のリスクを低下させ、さらにはインスリン抵抗性を改善させることにより2型糖尿病の発症を予防する可能性がある」とまとめられました。

Mの新たな可能性を示す、興味深い発表でした。

学会期間中に、バルセロナでは「メルセ祭」という市を挙げての
大きなお祭りが開催されていました。
下の写真は、メルセ祭のメインイベントである「人間の塔」です。
                  ↓                         

2013.09.30更新

糖尿病の低血糖と高血糖はいずれも脳萎縮と関連・・EASDより(その1)

今日から数回にわたって、ヨーロッパ糖尿病学会(EASD)で発表された興味深い研究成果をいくつかご紹介したいと思います。

第一回目は、糖尿病患者さんの高血糖と低血糖が、アルツハイマー型認知症の原因となる脳の「海馬」という部分の萎縮をどの程度進行させるかについての研究です。これは日本人による発表でした。

大阪府の藍野病院の吉田先生らは、60歳以上の2型糖尿病の患者さん121人の海馬の萎縮の程度をMRIを用いて5年間追跡しました。その結果からこの121人の患者さんを、明らかに海馬の萎縮の進行が見られた群(萎縮群)と進行が見られなかった群(非萎縮群)の2群に分けて比較したところ、次のようなことがわかりました。

①萎縮群は非萎縮群に比べて高齢であった。

②萎縮群は非萎縮群に比べて食後2時間の血糖値が高かった。

③萎縮群は非萎縮群に比べて低血糖発作の回数が多かった。

④萎縮群は非萎縮群に比べて内臓脂肪が多かった。

これらの事実から吉田先生らは、「糖尿病では高血糖、低血糖のいずれも認知症の進行と関連しており、認知症の予防の意味からも、適切な血糖値を維持することが極めて重要である。」とまとめています。

「適切な血糖値」の範囲が難しいわけですが、いずれにせよ血糖の変動をできる限り小さくすること、そして食後高血糖を防ぐことが認知症の予防につながるのではないかという印象を受けました。

写真は有名なガウディのサグラダ・ファミリア聖堂の夜景です
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