院長ブログ

2013.10.04

低血糖発作後1週間は血栓が形成されやすい!・・EASDより(その3)

有名な大規模研究であるACCORD試験では、2型糖尿病の薬物療法で厳格な血糖コントロールを目指すと、かえって死亡率が上昇することが確認されましたが、その原因が低血糖である可能性が指摘されています。

英国のシェフィールド大学のElaine Y.K.Chow氏らは、この問題を検証するため、10人の糖尿病患者さんでインスリンクランプ法(静脈からインスリンを注入しながら同時にブドウ糖を注入し、一定の血糖値を維持する方法)を用いて、低血糖の状態を実験的に作り出し、低血糖が血栓形成や血管の炎症にどのような影響を与えるかを調べました。

この結果、低血糖が起きた後、最低でも1週間は、血管内で血栓の形成が促進され、血管の炎症が引き起こされると考えられました。「低血糖発作」というと一時的な症状のように聞こえますが、実は低血糖は長時間にわたって血管が詰まりやすい状態を作り出すのだということがわかります。

たとえ1回でも低血糖を起こさない糖尿病治療が求められています。

写真はホテルの窓から見た、バルセロナ中心部の街並みです
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投稿者: 小早川医院


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