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2012.07.08更新

認知症の予防(その1):認知症と糖尿病

認知症は長生きすればするほど発症するリスクが高まるので、発症を防ぐことは不可能です。実際、95歳以上では過半数が認知症です。しかし、生活習慣を変えることで、認知症の発症時期を遅らせることは可能です。認知症には生活習慣病の側面もあるわけです。

今日は、認知症と糖尿病の関係についてご説明します。
九州大学の久山町研究によれば、糖尿病の人はそうでない人に比べて認知症になる危険性が1.74倍高いことがわかっています。認知症の中でも脳血管障害が原因となる血管性認知症になる危険性は1.82倍、脳にアミロイド蛋白が蓄積して脳の神経細胞に変性が起こるアルツハイマー型認知症になる危険性は2.05倍高くなることもわかりました。
糖尿病は、細小血管障害や動脈硬化を引き起こして、脳血管障害を悪化させる一方、神経細胞のタンパク質を糖化させて(2012年5月26日のブログ参照)、神経細胞の機能を障害している可能性があります。
また、糖尿病で高インスリン血症があると、脳に沈着したアミロイド蛋白が分解されにくくなり、アルツハイマー型認知症の発症につながると考えられています。

認知症の予防には糖尿病の適切なコントロールが重要であることがわかっていただけたと思います。

2012.07.05更新

プラセンタ注射の効果

2月の終わりごろからプラセンタの注射を始めて4ヶ月が経ちました。
花粉症と皮膚のかゆみは例年に比べて落ち着いています。
この間、半年ぶりに会った知り合いの方に肌がツヤツヤしている?と言われました。

当院でもプラセンタ注射を始める患者さんが増えています。
アレルギー、耳鳴、腰痛、肩こり、冷え症、脊柱管狭窄症、更年期、疲れやすさ、うつなど・・・
様々な症状の患者さんたち・・・ 良くなる方、現状維持の方、それぞれですけど

院長の考えでは、ワンクールとして3ヶ月は続けてみるとよいとのことです。
上に挙げたような症状は、命に直接かかわるわけではないので、第三者からは軽視されがちです。
しかし、ご本人にとっては生活の質を低下させる耐えがたい症状である場合も多いのです。

他の治療法で改善が見られないような場合には、是非院長にご相談ください。
解決の糸口が見つかるかも知れません。

看護師 山本明代

2012.07.04更新

当院スタッフの糖質制限(低炭水化物)食体験記・・その5

糖質制限(低炭水化物)食で減量に成功しましたが、筋肉量を増やしてリバウンドしにくい体を作るため、腹筋を1日50回ほどやっています。
と言っても、実のところ腹筋がうまくできないのですweep

最初のころは肩が床から5cmくらいしか上がっていませんでした。家族に「それは腹筋じゃない」といわれる始末・・・
それでも「継続は力なり」で今では15cmぐらいは上がるようになりました。
いつの日かちゃんとした腹筋運動ができるようになることが今の目標です。

何か良いアドバイスがありましたら教えてください。

スタッフA

2012.07.03更新

筋肉疲労に効くアミノ酸

私の趣味はスノーボードです。
毎年12月~5月までは毎週末滑りに行っています。

しかし、決して若くない私・・・
1日滑った後かなり体力を消耗し、翌日の月曜の朝、体がえらくて起きられないこともしばしば・・・

そこで、アミノ酸のサプリメントを飲むことにしました。
必須アミノ酸の9種類のうち3種類はBCAA(分枝鎖アミノ酸)と呼ばれ、筋組織の保護や回復に役立つとされアスリートに注目されています。

これを飲み始めてから体力の回復が速くなったような気がします。
アミノ酸はこのほかにも肌の老化を防いだり、自然な眠りをもたらしたりと、いろいろな働きがあります。

当院で扱っているサプリメントは、医療機関でしか扱えないサプリメントです。医薬品と同等の厳しい基準に適合した工場で作られた確かな品質のものですので、安心してお求めください。
この他にもいろいろなサプリメントがありますので、興味のある方は一度相談にお越しください。

事務    阪野 知子

2012.07.02更新

糖尿病の基礎(その3):糖化現象と血糖コントロールの指標

人間の体を構成しているタンパク質とブドウ糖が結合する現象を糖化と呼んでいます。
血糖値が高くなると、糖化されるタンパク質も増加します。糖化現象により、それぞれのタンパク質の正常な機能が失われ、これが糖尿病の合併症や老化につながると考えられています。

どれぐらい糖化が進んでいるかは、次のような糖化タンパクを測定することで推測することができます。これらは血糖コントロールの指標となるだけでなく、合併症の危険性を評価するという意味でも重要です。

①HbA1c(ヘモグロビンエーワンシー)
赤血球の中にあって、酸素を運ぶ役割を持つ色素がヘモグロビンです。このヘモグロビンが糖化したものがHbA1cです。
赤血球の寿命と関係するため、過去2ヶ月間の血糖の平均値を反映します。赤血球の寿命が短くなる一部の貧血などでは、実際よりも低い値となることがあります。

②GA(グリコアルブミン)
血液中のタンパク質の半分以上を占めるのがアルブミンで、糖化したアルブミンをグリコアルブミンと言います。
過去2週間程度の血糖の平均値を反映するので、治療開始初期や治療を変更したときには、HbA1cよりも有用な指標となります。

2012.07.01更新

糖尿病の基礎(その2):高インスリン血症とは

インスリンは両刃の剣です。炭水化物を大量に食べても、すい臓からそれに見合った多量のインスリンが分泌され血糖が上がり過ぎるのを防いで、生体の恒常性を保ちます。
しかし、一方でインスリンの分泌が過剰な状態が続き、血液中のインスリン濃度が高くなる(高インスリン血症)と、肝臓での中性脂肪の合成が活発になって血液中の中性脂肪が増え、腎臓の尿細管でのナトリウムの再吸収が増えてナトリウムが体内に貯留するために高血圧となり、また、血管の内皮細胞が増殖することによって動脈硬化が進みます。

また、厚生労働省研究班の大規模研究で、高インスリン血症のある人は、そうでない人に比べて最大3.2倍、大腸癌にかかりやすいという結果が出ています。血液中のインスリン濃度が高すぎる状態が続くと、細胞増殖を促進するIGF-1(インスリン様成長因子1)の働きが活発になり、大腸癌が発生するリスクが高くなると考えられています。 

さらに、同じ研究班のもう一つの大規模研究によれば、糖尿病にかかったことのある人が何らかのガンにかかる確率は、そうでない人に比べて男性で1.27倍、女性で1.21倍であるという結果が出ています。肥満や運動不足のある糖尿病ではインスリンが効きにくい状態(インスリン抵抗性)があり、それを補うために高インスリン血漿が生じ、これが、腫瘍細胞の増殖を刺激してガンの発生に関与すると考えられています

高インスリン血症は、ガン、高血圧、脂質異常症などの生活習慣病の原因となり、老化を促進する因子であると言えるでしょう。

2012.06.30更新

糖尿病の基礎(その1):血糖値はどのように調節されているか?

今回から数回にわたって、糖尿病の基礎的な知識をおさらいしてみたいと思います。糖尿病に関する理解を深めていただくことにより、皆様の糖尿病治療がより良い物になることを期待しております。

さて、第1回目は血糖の調節のメカニズムについてです。

血液中のブドウ糖(血糖)は、食後は食物中のでんぷんや砂糖などの炭水化物が小腸で消化吸収されることによって、また空腹のときは肝臓に蓄えられたグリコーゲンが分解されることによって供給されます。これが全身の細胞に取り込まれ、重要なエネルギー源となります。
通常、血液中のブドウ糖濃度(血糖値)は血糖を上げるホルモン(グルカゴン、カテコールアミン、コルチゾール、成長ホルモン)と血糖を下げるホルモン(インスリン)とのバランスにより調節されています。このように、血糖値を上げるホルモンはたくさんありますが、下げるホルモンはすい臓から分泌されるインスリンのみなのです。

人類の長い歴史を考えれば、過食よりも飢餓の方がはるかに起こりやすい状況にあったわけで、生き延びるためには血糖を上昇させるシステムを何重にもして万全にしておく必要があったということでしょう。一方、過食に備えて血糖を下げるシステムはあまり活躍の機会がなく、それほど重要ではなかったと推測されます。

ところが、飽食の時代といわれる現代になって、この血糖を下げるシステム、すなわちインスリン分泌のシステムががぜん重要性を増してきたわけです。

食事中の炭水化物(ご飯、パン、麺類、砂糖、イモ類など)は体内で分解されてブドウ糖になります。このブドウ糖を血液中から細胞の中へ取り込む時に必要なのがインスリンなのです。

2012.06.27更新

糖質制限(低炭水化物)食で食欲が落ちる理由

糖質制限(ローカーボ・低炭水化物)食は炭水化物を制限する代わりに脂質、タンパク質の摂取を増やすように指導する食事療法です。
しかし、実際には脂質、タンパク質の絶対量はあまり増えず、結果としてカロリー摂取量も減ることが多いようです。(炭水化物の摂取量が減るので、脂質、タンパク質のカロリー比率(%)は当然上がりますが・・)

この現象は、「脂肪は悪」という先入観も一因であると思いますが、糖質制限を行うと食欲が低下することが主因と考えられています。
なぜ食欲が低下するのでしょうか?これにはいくつかの説がありますが、代表的なものをお示しします。

①糖質制限を始めると、一時的にはタンパク質の摂取量が増える。タンパク質の増加が食欲を低下させるホルモン「レプチン」を介して食欲を低下させるという説。
②インスリンは食欲を亢進させる。糖質制限を行うと血液中のインスリンレベルが下がるので、それまでに比べて食欲が低下するという説。

実際には、糖質制限を始めた当初もタンパク質の摂取量はそれほど増えないので、私は②の説が当たっていると思います。
いずれにせよ、糖質制限食はカロリーを制限しないにもかかわらず、結果として生理的に摂取カロリーが減る場合が多く、メタボや肥満を伴う糖尿病に対しては非常に合理的で自然な治療法であるといえます。

2012.06.25更新

糖質制限(低炭水化物)食にお勧めの食品・・・その4(亜麻仁油)

聞きなれない名前かと思いますが、亜麻仁とは「亜麻」という植物の種子(仁)で、亜麻仁から絞った油が亜麻仁油です。

亜麻仁油にはオメガ3脂肪酸であるα-リノレン酸が多量に含まれています。これは、私たちの体内では作れない「必須不飽和脂肪酸」で、体内でEPA(エイコサペンタエン酸)、DHA(ドコサヘキサエン酸)に変換されます。

亜麻仁油はLDL(悪玉)コレステロールを低下させ、血糖値を安定させる作用があります。ですから、糖尿病やメタボリック症候群などで糖質制限をしている方にはぴったりの油です。

ただし、亜麻仁油も100℃以上に加熱すると有害なトランス脂肪酸が増えるので、ドレッシングや調味料として用いるのが良いでしょう。

栄養士 阿部明子

2012.06.23更新

糖質制限(低炭水化物)食にお勧めの食品・・・その3(えごま油)

シソ油はシソの実を圧搾してとった油で、シソ特有の香りがあります。同じシソ科の植物であるえごまも古くから油の原料として用いられています。えごま油は風味、成分ともシソ油と同じです。

えごま油(シソ油)はα-リノレン酸を多く含んでいます。α-リノレン酸は体内でEPA・DHAに変換されるため、血中のLDL(悪玉)コレステロールを減らしてHDL(善玉)コレステロールを増やし、脳卒中や狭心症・心筋梗塞などの動脈硬化による病気を予防します。また、ガンの発生や増殖を抑制します。リノール酸からアラキドン酸が作られて炎症が起こる経路を抑制する作用もあるので、アトピー性皮膚炎や花粉症などのアレルギー疾患の症状を緩和する作用もあります。しかし、酸化されやすいので、加熱調理には向きません。あえ物や味噌汁に入れたり、ドレッシングにしたり、冷奴にかけたりするのが良いでしょう。

糖質制限(低炭水化物)食では、炭水化物を減らすことによる空腹感を補うため脂質の摂取量を増やします。糖尿病の患者さんの血糖を下げるだけであれば、脂質の内容は問わないのですが、ガンや動脈硬化を予防しようとすると、やはり、脂質の質が問題になってきます。多価不飽和脂肪酸、中でもオメガ3脂肪酸を十分に摂ることが最も大切です。今回のえごま油(シソ油)や次回にお話しする予定の亜麻仁油などは植物性のオメガ3脂肪酸であるα-リノレン酸をたっぷり含んでいますし、イワシ、アジ、さんま、サバなどの青魚は動物性のオメガ3脂肪酸であるEPA・DHAが豊富です。これらを十分に摂取し、動物性脂肪(肉の脂肪)を摂り過ぎないようにすることで、健康長寿につながる糖質制限食が完成します。

栄養士 阿部明子


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