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2013.08.15更新

プラセンタを肥料にしたお米・野菜が登場!

プラセンタが注射、サプリメント、化粧品などに用いられていることは一般的に知られていますが、プラセンタを肥料として栽培されたお米、野菜が出回っていることはご存じない方が多いのではないでしょうか。最近では、プラセンタで育った「こしひかり」まで登場しています。

これらの農産物は、福井県産のブタのプラセンタを配合した有機肥料を使用し、農薬は使用せずに栽培されているとのことです。プラセンタ配合肥料で育てた野菜は、通常のものより甘みがあり、生き生き育つそうです。

プラセンタは、今後ますます多くの場で活躍することになりそうです。

2013.08.13更新

糖尿病の死亡リスクが大幅に減少!

2000年以前に発表された多くの研究では、糖尿病患者の死亡リスクは一般人口に比べて約1.8倍であるとされてきました。
今回、カナダ・トロントの女子大学リサーチセンターのLipscombe博士らは1996年~2009年におけるカナダ・オンタリオ州のヘルスケア関連データベースと英国のThe Health Improvement Network (THIN)のデータベースを用いて、糖尿病患者の非糖尿病患者に対する死亡率比の経時的変化について検討しました。対象者は約875万人(1996年)~約1269万人(2009年)という大規模な研究です。

その結果、1996年時点では糖尿病患者の死亡リスクは非糖尿病患者の1.90倍(オンタリオ州)、2.11倍(THIN) であったが、2009年にはそれぞれ1.51倍、1.65倍に低下していたことがわかりました。

Lipscombe博士らは、糖尿病患者の死亡リスクの低下傾向の背景には、次のような要因があるとみています。
1. 糖尿病患者に対して厳格な血糖管理や血圧管理が行われるようになったこと。
2. 心血管病を防ぐ目的でコレステロール低下薬(スタチンなど)が広く用いられるようになったこと。
3. 糖尿病の早期発見・早期診断が可能になったこと。

2013.08.12更新

糖尿病・メタボのための糖質制限レシピNo.12…超簡単!ねばねば冷奴

こんにちはhappy01管理栄養士の坂井です。
すごく久々な更新です。
毎日暑くてバテバテです。そんな日はガスを使って周りの温度を上げてしまう調理が苦痛な時もあります。短時間でサッと作れて、かんたんで栄養満点で・・・なんてなかなかないですよね。ましてや一人暮らしの方なんてついついインスタント食品やコンビニ食品で済ましちゃってませんか?たまに活用するなら便利でいいものかもしれませんが、毎日だとエンゲル係数も高くなってしまうし添加物だらけの生活になってしまいます。
 そこで今日は簡単で栄養満点な「モロヘイヤ」を使ったレシピをご紹介します。

【ねばねば冷奴】

【材料】・・・1人分

充填豆腐・・・150g
(または絹ごし豆腐)
モロヘイヤ・・・20g
しらす干し・・・10g
【混ぜる】
しょうゆ・・・小さじ1
酢・・・小さじ1

【作り方】
モロヘイヤをサッと茹で、きざむ、しらすと一緒に豆腐に乗せて、合わせた酢醤油をかけて完成!!

【1人当たりの栄養価】
エネルギー 113kcal
たんぱく質 11.2g
脂質 4.9g
炭水化物 5.8g
食物繊維 1.6g
糖質 4.2g
塩分 1.3g

作り方の説明もいらないくらいかんたんですよね!

モロヘイヤにはβカロテン、ビタミンC,E、カルシウム、ビタミンK、鉄分、葉酸、食物繊維などなど、とっても栄養豊富な食材なのです。
モロヘイヤのねばねば成分ムチンは糖の吸収を遅らせ、血糖値の上昇を抑える働きもあるので糖尿病や肥満の方にはぜひ摂っていただきたい食材です。

※ちなみに、モロヘイヤは葉っぱが柔らかいので生食でもよさそうですが、有害なアク(シュウ酸)を含むので必ず下ゆでしてあく抜きをしましょう。

2013.08.09更新

糖尿病の高齢者の特徴

高齢になると身体活動量が低下し、内臓脂肪が増え、筋肉量が減少し、 インスリン抵抗性の増大(インスリンが効きにくくなる)と食後のインスリンの追加分泌の低下が起こります。そのため、高齢の糖尿病患者さんでは、食前の血糖値は正常でも食後の血糖値が高くなる場合が多いのが特徴です。

さらに、高齢の糖尿病患者さんは、糖尿病の無い人と比べて転倒、身体機能の低下、認知機能の低下、うつ、尿失禁などの”老年症候群”を2~3倍多く起こすことがわかっています。

高齢者糖尿病の治療では血糖の大きな変動(低血糖、高血糖)をできるだけ避け、身体活動量を増やし、本人が肯定的な態度で糖尿病と付き合えるように周囲が心理的にもサポートしていくことが大切です。

2013.08.08更新

書評;本当は怖い「糖質制限」

なんだかちょっと前の某人気歌手のヒット曲の様なタイトルですね。「糖質制限はやめなさい!」という副題がついています。
○○○がブームになるとそれに対するアンチテーゼとして「○○○はやめなさい!」という本が出るというのは、最近の出版界の定石となっているようです。

東大医学部卒、ハーバード大学やクリーブランドクリニックでの研究歴といった華麗な経歴を持つ著者が書いた糖質制限に対するアンチテーゼ!いかにも売れ筋ですね・・

しかし、その内容は最近の極端な糖質制限の危険性を示す論文を羅列したあげく、あたかも糖質制限がすべて危険であるかのような印象を与える記述となっています。我々の推進する「ゆるやかな糖質制限」は無視された形です。しかし、冷静に読んでみると、動物性脂肪・タンパク質を中心とした極端な糖質制限で死亡や発がんのリスクが高まるということを言っているわけで、私が1年半ほど前からこのブログで述べてきたことと本質的には変わらない内容であることがわかります。ただ、この著者の方がよりセンセーショナルに書いているということでしょう。

私は、著者が推薦している地中海ダイエットの炭水化物比率を40から45%程度に低下せさせた食事が糖尿病食としては理想的だと考えています。ハーバードのHu教授らの、「植物性脂肪・タンパク質中心のゆるやかな糖質制限食は死亡リスクをむしろ低下させる」という大規模研究の成果をみれば「ゆるやかな糖質制限までやめなさい!」とは決して言えないはずです。

2013.08.07更新

糖尿病性腎症と言われてもあきらめる必要はありません

糖尿病の三大合併症として腎症、網膜症、神経障害が知られています。
このうち、糖尿病性腎症は尿中に排泄されるアルブミンというタンパク質の量が1日当たり300mgを超えると「顕性腎症」と呼ばれ、この状態になるといくらしっかりと治療しても腎障害の進行を止めることはできないと考えられてきました。

ところが最近、顕性腎症となっても、治療が可能であるというデータがいろいろな医学雑誌で報告されるようになってきています。

今年6月に’Diabetes Care’という雑誌に北海道で開業医をされている横山宏樹先生の論文が掲載されました。
これによると、2002年から2008年に横山先生のクリニックを受診された糖尿病患者さん2500人のうち、初診の時に顕性腎症であった患者さんは211人でした。この患者さんたちを次のような目標を設定して治療しました。

①HbA1c 7.0%未満   ②血圧 130/80未満  ③総コレステロール(TC) 200mg/dL未満  ④トリグリセライド(TG) 150mg/dL未満  ⑤HDLコレステロール(HDL-C) 40mg/dL以上

この結果、平均4.5年間の観察で1年間以上尿中のアルブミンが300mg/日未満となった患者さんは58.3%に達しました。
実に半数以上の患者さんが顕性腎症の状態を脱することができたわけです。

糖尿病の発症初期から良好な血糖コントロールを保って、顕性腎症にならないようにするのが一番ですが、たとえなってしまった場合でも、諦めずに血糖、血圧、脂質のコントロールをしっかりと行えば腎障害の進行は防げる事をこのデータは示しています。

2013.08.04更新

夏は血圧の下がり過ぎに注意しましょう

昨日のブログで降圧薬をしっかりと服用して血圧をコントロールすることの重要性をお話ししましたが、一方で、血圧の下がり過ぎにも注意が必要です。中でも糖尿病の方や高齢の方は、血圧が下がった時に血管の収縮反応が不十分なため、血圧が極端に下がって内臓の虚血状態(血液が十分に供給されない状態)が起きることがあります。

初夏から夏にかけては、特に血圧が下がりやすいので注意が必要です。

もともと腎臓が悪い方(CKDの方)では、夏の間の血圧の下がり過ぎによって腎臓が虚血状態となり、糸球体濾過量(GFR)が低下するケースも多いようです。

血圧の下がり過ぎを防ぐためには、家庭血圧の記録が必須です。診察室での血圧は高めに出ることも多いので、それだけを指標に降圧薬を調節すると、自宅では血圧が下がり過ぎる可能性もあるのです。

2013.08.03更新

降圧薬をきちんと飲まない人は脳卒中による死亡リスクが6倍に

ヘルシンキ大学のHerttua教授らは、1995年から2007年12月までの国民データベースを利用し、高血圧の患者さん7万3527人の降圧薬処方状況、入院および死亡、降圧薬の服薬状況のデータを解析しました。

その結果、服薬遵守率が80%以下の群では年間の脳卒中による死亡のリスクが、服薬遵守率80% 以上の群に比べて5.68倍、脳卒中による入院のリスクも1.87倍となっていることがわかりました。

高血圧はよほど重症にならない限り自覚症状のない病気ですが、このデータを見ると普段からきちんと降圧薬を服用することがいかに大切かがわかると思います。

高血圧は決して侮れない病気なのです!

2013.07.30更新

ベジタリアン食(菜食)で死亡リスク低下!

アメリカのロマリンダ大学の研究者たちが、カリフォルニア州のある教会に通う7万3000人を超える男女を対象にコホート研究を行い、「ベジタリアン食を摂取した人では非ベジタリアン食を摂取した人と比較して死亡率が低かった。また、男性の方が死亡率低減効果が高かった」という結果をJAMAという医学雑誌に発表しました。

この研究では、2002年~2007年にこの教会に通っていた男女を登録し、食事調査の情報をもとに、非ベジタリアン食群(3万5359人)と4つのベジタリアン食群{ヴィーガン群(完全菜食)5548人, ラクト・オボ群(乳卵菜食)2万1177人, ペスコ群(魚肉菜食)7194人, セミ群(鶏・魚摂取の半菜食)4031人}に分類し、各群における全死亡率を比較しました。

この結果、非ベジタリアン食群の死亡リスクを1.0とすると、ベジタリアン食群全体の死亡リスクは0.88で、12%のリスクの低下が認められました。各ベジタリアン食群の死亡リスクはヴィーガン群(完全菜食):0.85, ラクト・オボ群(乳卵菜食):0.91, ペスコ群(魚肉菜食):0.81, セミ群(鶏・魚摂取の半菜食):0.92 でした。

この結果を見ると、完全な菜食主義でなくても、タンパク源として植物性タンパク質と魚、鶏、乳製品をを中心に摂取する食生活によって、死亡リスクが低下することがわかります。糖尿病、脂質異常症、肥満などの治療目的で糖質制限を行う場合も、この結果が参考になると思います。

2013.07.28更新

糖尿病の発症予防に「座っている時間の短縮」が有効?

イギリスのレスター大学の糖尿病研究グループは、2型糖尿病の危険因子を持っている人では、定期的な運動よりも、日常生活の中で座っている時間を減らし、動き回る生活をするように指導したほうが有効である可能性が高いことをDiabetologiaという医学雑誌に発表しました。

この研究によると、座っている時間が短いほど食後2時間の血糖値・中性脂肪は低下し、HDL-コレステロールは上昇しました。そして、座っている時間は早足のウォーキングやジョギングなどの運動量よりも、これらの値に強く関連していることが明らかになりました。

健診で血糖値が高めと言われた方、あるいは「糖尿病予備軍」、「境界型糖尿病」などと言われている方は、まずはできるだけ「座らない」生活を心がけてみるとよいでしょう。

例えば、電車の座席が空いていても座らない、一家団欒の食事の後は率先して食卓を片づけるなど、日常生活のちょっとした工夫で糖尿病の発症が防げるかもしれないのです。


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