院長ブログ

2013.08.08

書評;本当は怖い「糖質制限」

なんだかちょっと前の某人気歌手のヒット曲の様なタイトルですね。「糖質制限はやめなさい!」という副題がついています。
○○○がブームになるとそれに対するアンチテーゼとして「○○○はやめなさい!」という本が出るというのは、最近の出版界の定石となっているようです。

東大医学部卒、ハーバード大学やクリーブランドクリニックでの研究歴といった華麗な経歴を持つ著者が書いた糖質制限に対するアンチテーゼ!いかにも売れ筋ですね・・

しかし、その内容は最近の極端な糖質制限の危険性を示す論文を羅列したあげく、あたかも糖質制限がすべて危険であるかのような印象を与える記述となっています。我々の推進する「ゆるやかな糖質制限」は無視された形です。しかし、冷静に読んでみると、動物性脂肪・タンパク質を中心とした極端な糖質制限で死亡や発がんのリスクが高まるということを言っているわけで、私が1年半ほど前からこのブログで述べてきたことと本質的には変わらない内容であることがわかります。ただ、この著者の方がよりセンセーショナルに書いているということでしょう。

私は、著者が推薦している地中海ダイエットの炭水化物比率を40から45%程度に低下せさせた食事が糖尿病食としては理想的だと考えています。ハーバードのHu教授らの、「植物性脂肪・タンパク質中心のゆるやかな糖質制限食は死亡リスクをむしろ低下させる」という大規模研究の成果をみれば「ゆるやかな糖質制限までやめなさい!」とは決して言えないはずです。

投稿者: 小早川医院


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