院長ブログ

2012.01.11

糖尿病と癌・・・その3

1月4日と6日のブログでは、糖尿病と癌の関係についてお話してきました。まとめると、「糖尿病のコントロールが不良で、高血糖や高インスリン血症がおこれば、癌が増える。一方、糖尿病の治療薬でも多くの場合癌が増える。さらに、食後高血糖や高インスリン血症を抑えるための糖質制限(低炭水化物)食でも、動物性脂肪・蛋白質に偏り過ぎると癌が増える」、ということになります。こう書くと八方ふさがりのようではあります。しかし、糖質制限(低炭水化物)食は高血糖、高インスリン血症を改善し、糖尿病治療薬を減らすことにつながるわけですから、摂取する脂肪・蛋白質の質にさえ注意すれば、癌を減らす方向に働くと考えられます。従来の「高炭水化物低カロリー食」が食後高血糖を引き起こし、インスリンの追加分泌を刺激するのとは対照的です。

ハーバードの研究者たちの「動物性脂肪・蛋白質を中心とした糖質制限食が癌による死亡を増やす」という論文を読んだ後も、私が患者さんに糖質制限(低炭水化物)食をお勧めする理由はここにあります。

投稿者: 小早川医院


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