院長ブログ

2012.03.11

微量ミネラル(その4)・・鉄(Fe)

食物中の鉄の吸収率が低いこともあり、鉄は不足しやすい栄養素です。閉経前の女性は、生理出血が定期的にあるため、鉄が欠乏しやすいです。また、ダイエット中の女性、妊娠中の女性、成長期のお子さん、激しいスポーツをする方は、鉄の摂取量に注意が必要です。

鉄は ①赤血球をつくる ②エネルギーを生み出す ③酸化を防ぐ という、3つの大切な役割を持っています。
血液検査で「貧血」と診断されなくても、潜在的に鉄が不足しているために、だるさ、疲れやすさ、めまい、頭痛、冷え、息切れ、脱毛などの多彩な症状を訴えられる方は意外に多いです。

私たちが、食べ物から摂取する鉄には、おもに穀物や野菜に含まれる「非ヘム鉄」と、肉やレバーなどの動物性食品に含まれる「ヘム鉄」があります。「非ヘム鉄」はむき出しの鉄なので、消化管の粘膜に対する刺激が強く、摂取すると約1割の方に腹部う、下痢、便秘、食欲低下などの副作用が起こります。また、腸からの吸収もよくありません。一方、「ヘム鉄」では、鉄がむき出しではなくポルフィリンという有機化合物に囲まれているため、胃や腸の粘膜を刺激することもなく、「非ヘム鉄」に比べて5~10倍も吸収率が高いです。

鉄不足解消のためには、貯蔵鉄である血液中のフェリチンを増やす必要がありますが、そのためには通常の食事以外に、サプリメントとして少し多めの鉄を摂取する必要があります。
鉄の補給には、副作用がなく、吸収率のよい「ヘム鉄」のサプリメントがお勧めです。

投稿者: 小早川医院


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