院長ブログ

2013.07.30

ベジタリアン食(菜食)で死亡リスク低下!

アメリカのロマリンダ大学の研究者たちが、カリフォルニア州のある教会に通う7万3000人を超える男女を対象にコホート研究を行い、「ベジタリアン食を摂取した人では非ベジタリアン食を摂取した人と比較して死亡率が低かった。また、男性の方が死亡率低減効果が高かった」という結果をJAMAという医学雑誌に発表しました。

この研究では、2002年~2007年にこの教会に通っていた男女を登録し、食事調査の情報をもとに、非ベジタリアン食群(3万5359人)と4つのベジタリアン食群{ヴィーガン群(完全菜食)5548人, ラクト・オボ群(乳卵菜食)2万1177人, ペスコ群(魚肉菜食)7194人, セミ群(鶏・魚摂取の半菜食)4031人}に分類し、各群における全死亡率を比較しました。

この結果、非ベジタリアン食群の死亡リスクを1.0とすると、ベジタリアン食群全体の死亡リスクは0.88で、12%のリスクの低下が認められました。各ベジタリアン食群の死亡リスクはヴィーガン群(完全菜食):0.85, ラクト・オボ群(乳卵菜食):0.91, ペスコ群(魚肉菜食):0.81, セミ群(鶏・魚摂取の半菜食):0.92 でした。

この結果を見ると、完全な菜食主義でなくても、タンパク源として植物性タンパク質と魚、鶏、乳製品をを中心に摂取する食生活によって、死亡リスクが低下することがわかります。糖尿病、脂質異常症、肥満などの治療目的で糖質制限を行う場合も、この結果が参考になると思います。

投稿者: 小早川医院


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