院長ブログ

2012.12.05

新世代の糖尿病薬 DPP-4阻害薬を生かす食事療法

12月3日のブログでご説明したように、DPP-4阻害薬による血糖降下作用は、小腸から分泌されるインクレチンに依存するため、インクレチン分泌を促進することは、その分解を抑制するDPP-4阻害薬の効果を増強することにつながります。
インクレチン分泌は、食事に含まれる種々の栄養素が小腸内分泌細胞を刺激することにより促進されます。現在までに、ブドウ糖などの単糖類、グルタミンなどのアミノ酸、α-リノレン酸やエイコサペンタエン酸(EPA)などの脂肪酸がインクレチン分泌を促進することが明らかにされています。 

関西電力病院の矢部先生は、DPP-4阻害薬を服用している2型糖尿病の患者さんの食事内容を調査した結果、魚類の摂取量が多いほどHbA1cの改善効果が大きいことを報告しました。これは魚類に含まれる栄養素が小腸のインクレチン分泌を促すためと考えられます。

さらに、矢部先生は炭水化物を摂取する前にサバの水煮を摂取するとインクレチン分泌が促進され、炭水化物摂取後の血糖上昇が抑制されることも明らかにしましいた。乳清蛋白(乳からカゼインと乳脂肪などを除いたもの)を炭水化物の前に摂取することで血糖上昇を抑制しうるとの報告もあります。 

良質な脂質や蛋白質を多く含む食品を、炭水化物を多く含む食品の前に摂取することによって、DPP-4阻害薬の効果を高めることができると考えられます。

投稿者: 小早川医院


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