2013.05.27
腸と栄養・・その2
現代の急激な環境の変化、食生活の変化に対して、私たちの腸や腸内細菌は必ずしもうまく適応できているとは言えません。
そうしたことを背景として、最近では腸に関する様々な研究が行われるようになりました。
腸内細菌と疾病の関連についての最新の報告を、いくつかご紹介します。
1.炎症性腸疾患
胃がんや胃・十二指腸潰瘍の原因がピロリ菌であることは有名ですが、潰瘍性大腸炎などの炎症性腸疾患も腸内細菌による感染症である可能性が研究者により明らかにされ、現在、その原因菌がつきとめられつつあります。
2.肥満
肥満者の腸内細菌叢は独特であると言われています。高脂肪・高糖質食の摂取が原因となり、肥満者特有の腸内細菌叢を形成し、肝臓や骨格筋での脂肪合成が促進され、食欲亢進、インスリン抵抗性の上昇などの影響を与えていると考えられています。
3.アレルギー疾患
アレルギー児と健康児の腸内細菌叢を比較したところ、アレルギー児の腸内細菌の種類や量が健康児と大きく異なることが示されました。それ以降、腸内細菌とアレルギー疾患の関連性に注目が集まり、乳酸菌摂取によるアトピー性皮膚炎の発症予防効果も期待されています。
4.1型糖尿病
腸内細菌叢が悪化することで、本来腸の粘膜から毛細血管の中に取り込まれることのないような食品中のタンパク質が抗原になってしまうことがあります。抗原の侵入によって自己免疫疾患が引き起こされることにより、インスリンを作り出すすい臓が炎症を起こし、1型糖尿病になるとの仮説がたてられています。
5.アルコール性脂肪性肝炎・非アルコール性脂肪性肝炎
アルコール性脂肪性肝炎はアルコールによって腸管の粘膜の透過性が増し、腸内細菌が血液の流れにのって他の臓器へ移行したり、腸内細菌のもつ毒素が肝臓に入り込むことが原因の一つであると言われています。
一方、非アルコール性脂肪性肝炎は、肥満により腸内細菌叢のバランスが崩れ、異常に増加した腸内細菌の毒素が肝臓における糖や脂肪の代謝を乱すことにによって発症すると考えられています。
どちらも乳酸菌やラクトフェリンなどのサプリメントを用いて腸内細菌叢を正常化することにより改善することがわかっています。
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