院長ブログ

2015.12.30

EPA, DHAの多彩な効能

魚油に多く含まれるEPA, DHAはLDLコレステロール(悪玉)や中性脂肪を減少させ、HDLコレステロール(善玉)を増加させます。これが脳梗塞や心筋梗塞、閉塞性動脈硬化症などの動脈硬化性疾患の予防につながるわけです。

最近EPA, DHAの効能に関する新しい研究成果が続々と報告されています。今日は、そのうちのいくつかをご紹介します。

・腸内環境を整える
食事中の脂肪酸が腸内細菌のバランスに影響を与えることがわかってきました。
動物性脂肪を多く含む食事では腸のバリア機能が低下して細菌の毒素が体内に入ってしまい、これが脂肪細胞を刺激して体重増加がおこりメタボの状態になりやすくなります。
一方、魚油を豊富に含む食事では善玉菌が増えるため、腸のバリア機能が改善され、メタボになりにくくなります。

・体脂肪を減らす
EPAやDHAの摂取により褐色脂肪細胞が増加し、体温は上昇、体脂肪は減少することを京都大学の研究グループが動物実験で証明しました。

・PTSDを改善する
重度のPTSD(外傷後ストレス障害)の患者さんに3か月間魚油の摂取を続けてもらったところ、症状が明らかに軽減したことを国立精神神経センターの研究グループが報告しました。これは、DHAの摂取により海馬における神経の新生が活発になり、海馬から恐怖記憶が消えやすくなったためと考えられています。

このように、EPA,DHAは健康維持に役立つ多彩な効能を持っています。これらを効率的に摂取するためには、まずは青魚を積極的に献立に取り入れるのがよいでしょう。それでも不十分な場合、あるいは魚が嫌いな人の場合にはEPA/DHAの製剤やサプリメントの摂取をお勧めします。

投稿者: 小早川医院


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