2015.11.29更新
加工肉の過剰摂取が癌のリスクを高める!
先月、WHO(世界保健機構)が「加工肉(ウインナー、ハム、ベーコン等)を毎日50g食べると大腸癌の発症リスクが18%高まる」というIARC(国際がん研究機関)の研究結果を公表しました。
また、赤肉(牛肉、豚肉、ラム肉)の摂取も大腸、膵臓、前立腺の癌のリスクを高める可能性が大きいとしました。
IARCは各国から集められた癌の専門家集団であり、今回の検証には全世界の800以上の研究論文が使用されているので、この結論はかなり信憑性の高いものと考えられます。
IARCは発がん性リスク因子を危険度に応じて分類したリストを公表していますが、加工肉は喫煙と同様にグループ1(明らかに発がん性がある因子)に分類されました。一方、赤肉の摂取はグループ2A(おそらく発がん性のある因子)に分類されています。
加工肉はそれまでのグループ2Aからグループ1に昇格してしまったわけですが、なぜ加工肉に発がん性があるのでしょうか?
それは、加工肉の製造に必要な「塩漬け」や「燻製」の工程でニトロソ化合物や多環芳香族炭水化物等の発がん性物質が発生するためであると考えられています。また、加工肉を加熱することにより、さらに発がん性物質の生成が増えることもわかっています。
それでは危険とされる加工肉50gとはどの程度の量なのでしょうか?・・ウインナーで約3本、ハムは約4枚、ベーコンは約2.5枚がこの量に相当します。
一方で、WHOは肉類には重要な栄養素であるたんぱく質やビタミンB群、鉄、亜鉛なども含まれるため、加工肉、赤肉の適量の摂取は必要であるとしています。
週に500g程度の赤肉の摂取が適量と考えられます。そして、時々50g程度の加工肉もメニューに加えていくのであれば、安全でしょう。
糖尿病やメタボの治療のために糖質制限をされている方は、炭水化物を減らした分だけ脂質やたんぱく質の摂取量を増やす必要があるので、どうしても赤肉や加工肉の摂取が過剰になりがちです。それ以外のたんぱく源(納豆、豆腐、豆類、卵、乳製品、鶏肉、魚肉など)もうまく組み合わせてメニューを考えるとよいでしょう。
2015.11.15更新
日本胎盤臨床医学会が名古屋で開催されましたーその2
今日は、去る11月1日に名古屋で開催された日本胎盤臨床医学会における、京都大学名誉教授 岸根卓郎先生の特別講演の内容をご紹介します。
みなさんご存知のように、岸根先生は既存の学問の枠組みにとらわれることなく、「学際学者」として統計学、数理経済学、文明論、環境論から哲学・宗教に至るまでの幅広い領域の研究を続けてこられました。
宇宙の法則に則り東西文明の攻防を論じた著書『文明論』は、東洋の時代の到来を科学的に立証した書物として国際的にも注目を集め、アメリカおよび中国でも翻訳され、中国ではベストセラーとなりました。、
岸根先生は、量子論の観点から「東洋の時代の到来とともに、今後は科学の世界で物心一元論が主流になる」と述べられ、それを医学の世界に敷衍して、今後の医学の進むべき方向を示されました。
見えないミクロの世界の「心の病」が原因となって、目に見えるマクロの世界の「肉体の病」が発生するのに、これまでの西洋医学ではその研究順位が逆転し続けている。今後は医学でも、原因となる「心の世界」を研究対象とする「量子論」を先行させ、結果となる「肉体の世界」を研究対象とする「現代医学」がそれに続き、両者を融合させた「物心一元論」に基づく新しい医学が必要になるであろう、と先生は述べられました。
岸根先生のお話を伺って、「プラセンタエキスは、新たな生命を創り出すための胎盤の意志を伝達するメッセンジャーではないか」という思いを一層強くしました。プラセンタエキスが伝達する「胎盤の意志」が心身に生じたいろいろなアンバランスを正常化させることにより、多彩な臨床効果が発揮されるのではないでしょうか。
2015.11.08更新
日本胎盤臨床医学会が名古屋で開催されました
皆様、ご無沙汰しております。久々の院長ブログ更新です。この半年間、電子カルテシステムの更新やスタッフの充実など、クリニックのいろいろなシステムの整備に忙殺され、ブログの更新ができずにおりました。申し訳ありません。これからは以前のペースに戻したいと考えておりますので、引き続きご愛読をお願いいたします。
さて、本日のテーマはプラセンタ療法の学会に関してです。
去る11月1日、第18回日本胎盤臨床医学会が名古屋駅前のマリオットホテルで開催されました。この学会はプラセンタを治療に用いている医師が診療科を問わず集まって、プラセンタ療法を発展させていこうという趣旨で設立されました。今回が初の名古屋開催となり、私は大会の実行副委員長を務めさせていただきました。
今回の学会では、心と身体の両方に作用して、いろいろな効果を発現させるというプラセンタの特徴がクローズアップされました。
上野医院の上野先生は、プラセンタエキスの原料である胎盤について重要なポイント2点を強調されました。
① 胎盤組織は外胚葉に働きかける
外胚葉は皮膚の表皮や毛髪・爪・汗腺・感覚器(口腔・咽頭・鼻)などを形成します。外胚葉の一部は発生過程で陥入して脳や脊髄などの中枢神経系のニューロンなどの元にもなり、末梢神経系も形成します。発生学的に皮膚と脳は兄弟関係にあるわけです。このような事実から、プラセンタ療法が皮膚のシミや色素沈着を改善し、かゆみを抑えたり、中枢神経に作用し不眠やうつにも有効なことは必然性があると上野先生は述べられました。
② 胎盤を発生させる遺伝子は赤ちゃんの体細胞の遺伝子とは別物!
この事実は、胎盤が「赤ちゃん」という新しい生命体を作り出すための意思を持っていることを示唆しています。
ノーベル賞受賞者の利根川進、江崎玲緒奈先生らによれば、「原子が集まって生命ができるということは、地面の土が勝手に動き出して100階建てのビルがひとりでに出来上がるようなもの。原子が集まって心が生まれることは、その100階建てのビルが、勝手に意識と情報と知識を持ち光を発し、電磁波を放出しているようなもの」
北海道の西谷先生の産婦人科クリニックでは、「プラセンタは赤ちゃんからのプレゼント」と考えて、出産直後の妊婦
さんに自分の胎盤を食べてもらっているそうです。それによって、産後の経過が非常に順調になるのだそうです。
動物界でも出産後に自分の胎盤を食べる動物は多く、人間でも胎盤を食べる習慣を持った部族があるとのことです。
「胎盤を食べるのは動物の本能」と西谷先生は述べられました。
スノーデン製薬執行役員の大石さんは、胎盤が胎児の脳にセロトニンを供給しており、これが胎児の脳の発達に非常に大きな役割を果たしていると述べられました。
クリニック宜野湾の天願 勇先生は、肝臓がんの進行ががプラセンタ療法で抑えられている症例を報告されました。プラセンタが自然治癒力をを高めた結果であろうと推論されていました。
これらの演題を拝聴して、胎盤には新たな生命を創り出すための意志あるいは心があり、プラセンタエキスは、それを伝達するメッセンジャーの役割をしているのではないかと直感しました。
次回は、本学会のクライマックス、京都大学名誉教授の岸根卓郎先生の特別講演の内容をご紹介します。
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