2012.05.13更新
サプリメントの基本はマルチビタミン&ミネラル!(その1)
私たちが生きるために最低限摂取しなければならないものは、次の5つです。
重要度の順に 空気、水、三大栄養素(タンパク質、脂質、炭水化物)、そして微量栄養素(ビタミン・ミネラル)です。
マルチビタミン&ミネラルは、これらのうちビタミン・ミネラルを効率的に補給する目的で設計されています。
一方、コンドロイチン硫酸、グルコサミン、ポリフェノール類、ルテイン、リコペンなどの色素、ローヤルゼリー、プロポリス、αリポ酸、コエンザイムQ10などは、「注目の新素材」としてテレビなどで宣伝されているのをよく見かけます。これらの微量栄養素以外のサプリメントは「機能性栄養素」と呼ばれます。「機能性栄養素」は、その成分を補うべき人が、適切な量を補えば効果が期待できる可能性がありますが、全ての人に必要なものとは言えません。
特定の症状の改善を期待して機能性栄養素を摂取しても、ベースとなる三大栄養素とビタミン・ミネラルのバランスが悪ければなかなか状況は改善しません。まず、食生活を改善し、それだけでは補いきれない微量栄養素がある場合には、サプリメントとしてマルチビタミン&ミネラルを摂取することで、栄養のバランスを整えるのが基本です。
2012.05.07更新
プラセンタ注射の効果 その2:アレルギー疾患の改善
私たちの体には「抗原抗体反応」という免疫システムが備わっています。これは、ウィルスや病原菌などの体外からの異物(抗原)に対して抗体を作って結合し、 撃退するというものです。
ところが、例えばダニ、カビのようなアレルゲン(アレルギーを引き起こす抗原物質)が侵入したとき、この働きが過剰になり過ぎると、体の正常な細胞までが攻撃されてしまいます。この時発症するのが、アトピー性皮膚炎や気管支ぜんそくなどのアレルギー疾患です。
特にアトピー性皮膚炎の発症には、「アトピー素因」と呼ばれる生まれつきアレルギーを起こしやすい体質や皮膚かぶれ、乾燥肌などといった要因が複雑に絡んでいます。
プラセンタは、アトピー性皮膚炎や気管支喘息に非常に有効です。プラセンタの持つ免疫調節作用、抗炎症作用、抗アレルギー作用、内分泌調節作用、基礎代謝向上作用などが複合的に作用すると考えられます。
2012.05.02更新
糖尿病治療の変革期・・低脂肪・低カロリーから糖質制限へ
最近、町のパン屋さんで糖質をほとんど含まない「ふすまパン」を見かけるようになりました。これまでも、ふすまパンはあったのですが、ふすまパン専業の業者が細々と扱っているだけでした。ところが、最近は普通のベーカリーで、従来の商品に混じってふすまパンが置かれるようになったのです。中には、「ふすまスウィーツ」を置いているところもあります。その他にも、糖質ゼロビール、糖質ゼロチューハイ、糖質ゼロの日本酒、糖質ゼロチョコレート、糖質ゼロアイスクリーム等々、糖質ゼロ食品がごく普通のスーパーマーケットや「デパ地下」に並ぶようになりました。まだ、少数ではありますが、糖質制限メニューを提供するレストランもでてきています。(東急ホテル系列の高級ホテル パンパシフィック横浜ベイホテルのレストランに糖質制限メニューが登場したのは象徴的な出来事だと思います)
糖質制限(低炭水化物)食を実践しやすい環境が徐々に整いつつあります。
これまで低脂肪・低カロリー・高炭水化物一辺倒であったアメリカ糖尿病学会のガイドラインが2002年に改訂され、「従来のカロリー制限食、糖質制限(低炭水化物)食、地中海式ダイエットの3種の食事療法は同等の有効性がある」と明記されました。以来、糖尿病の食事療法の流れは確実に糖質制限の方向に動き出しました。ヨーロッパにもこの流れは波及し、やや遅れて日本にも波及しつつあると言えるでしょう。
こうした流れを受けて、最近は、糖質制限が週刊誌、テレビなどのマスコミや健康雑誌に取り上げられる機会も増え、それを契機として糖質制限に興味を持つ患者さんも増えています。これ自体は悪いことではないのですが、同時に、民間療法的な偏った糖質制限が行われる危険性もはらんでいます。
こういう時期だからこそ、我々糖尿病治療に携わる医師は、目先の血糖や体重を下げるだけでなく、長期的に見て、本当に健康長寿に役立つ糖質制限(低炭水化物)食を普及させていかなければならないと思います。
2012.05.02更新
プラセンタ注射の効果 その1:更年期障害の緩和
女性の閉経前後の約10年間を更年期と呼びます。この時期に、日常生活に支障をきたすような種々の不快な症状が現れてきた場合を更年期障害と呼びます。具体的な症状としては、顔や上半身のほてり、のぼせ、発汗、不眠や抑うつ、イライラ、肩こり、頭痛、腰痛、関節痛、手足のしびれなどが見られます。
更年期障害は、卵巣からの女性ホルモン(エストロゲン)の分泌の減少に精神的、環境的な要因も加わって、自律神経に失調をきたすことでひきおこされます。
プラセンタはホルモンを調整する内分泌調整作用や、自律神経のバランスを調整する自律神経調節作用を持っているため、更年期障害の症状緩和に有効です。
基本的には皮下注射や筋肉注射を行いますが、効果が不十分な場合にはツボ注射も行います。
また、プラセンタの内服剤には注射薬ほどの即効性はありませんが、継続的に摂取することにより、更年期障害の緩和効果が期待できます。
更年期障害の治療にプラセンタを用いる場合には、健康保険が適用されることがありますのでご相談ください。
2012.04.29更新
プラセンタのツボ注射・・・脊柱管狭窄症・耳鳴でお悩みの方へ
当院では、通常の西洋医学的治療法でなかなか改善の見られない諸症状に対し、プラセンタ注射をお勧めしています。通常は、皮下や筋肉内に注射しますが、あまり改善が見られない時には、より優れた効果が期待できる「ツボ注射」を行っています。ツボ注射では、鍼灸治療で使用する経穴(=いわゆる「ツボ」)にプラセンタを注入します。
プラセンタのツボ注射は整形外科的疾患の疼痛に特に有効で、皮下注射や筋肉注射では効果が少ない、脊柱管狭窄症に伴う腰痛、下肢痛、下肢のしびれなどに効果が認められるほか、耳鳴、気管支喘息などにも効果が期待できます。週1回程度の治療を1~3ヶ月程度、根気強く続けていただくと、徐々に症状が軽減してくることが多いようです。
他の治療がなかなか効かない脊柱管狭窄症や耳鳴り・めまいなどでお悩みの方は、是非ご相談ください。
2012.04.26更新
赤肉の食べ過ぎで糖尿病のリスク上昇!・・極端な糖質制限に対する警鐘
4/25のブログで紹介したPan博士らは、別の著名な医学雑誌(American Journal of Clinical Nutrition)に、赤肉の摂取量が多いほど、糖尿病を発症するリスクが高まるという論文を発表しています。
メタボリック症候群の人が糖質制限(低炭水化物)食を実践する場合にも、3食とも主食を抜いてかわりに肉をたくさん食べるというような極端な糖質制限は、かえって糖尿病を発症しやすくするといえるでしょう。
2012.04.25更新
赤肉の食べ過ぎで死亡リスク上昇!・・極端な糖質制限に対する警鐘
ハーバード大学のPan博士らは、赤肉(牛肉、豚肉、羊肉など)の摂取量が多いほど、全脂肪、心血管病による死亡、癌による死亡のリスクが上昇するが、赤肉を魚、鶏肉、ナッツ、豆類、低脂肪乳製品、全粒穀物で置き換えると死亡のリスクが低下するという研究結果を、著名な医学雑誌 ‘Archives of Internal Medicine’ に発表しました。
昨年12月18日のブログで「動物性脂肪・蛋白質を中心とした糖質制限(低炭水化物)食では糖質制限を厳しくすればするほど、総死亡、脳卒中や心臓病による死亡、癌による死亡が増加した」というハーバード大学の研究成果をご紹介しました。この論文で、糖質制限のやり方を誤ると、かえって寿命を縮めてしまうという結果になりかねないことがわかったわけですが、上述のPan博士らの研究も、安易な糖質制限に警鐘を鳴らしたものといえるでしょう。健康雑誌などで喧伝されている「糖質制限食」では、「3食とも主食を抜くかわりに、ビーフステーキは食べ放題」といったような過激な記述が目立ちますが、このような食生活では、当然赤肉の摂取量が増えるわけで、決して安全な方法とは言えません。
やはり、和食や地中海式ダイエットを参考にして、植物性脂肪・蛋白質を中心とした、マイルドな糖質制限食を開発してゆく必要があります。
2012.04.08更新
年に1回は大腸癌検診を・・糖尿病、肥満の方は要注意!
食生活の欧米化とともに、わが国でも大腸癌が急速に増加しています。現在、胃癌を抜いて肺癌に次いで2番目に多い癌となっています。
大腸癌検診として広く行われている便潜血反応は、費用も低額(名古屋市在住の方は500円)で、簡便でありながら、確実に大腸癌による死亡者数を減らすことが分かっています。この検査により、早期癌の約50%、進行癌の約90%を発見することができます。
大腸癌の場合は、たとえ進行癌であっても5年生存率は約70%であり、手術で治る可能性が高いので、大腸癌検診を受ける意義は大きいと言えます。40才以上の方は、年1回は大腸癌検診を受けることを強くお勧めします!
そして、大腸癌検診で「便潜血が陽性」になった時は、必ず大腸内視鏡検査を受けてください。
糖尿病、肥満、喫煙は大腸癌のリスクを高めることが分かっています。これにあてはまる方は特に要注意です。
2012.03.31更新
当院スタッフの糖質制限(低炭水化物)食体験記・・その3
H23年10月X日
体重は相変わらず56kg台をうろうろしている。
もう少し落としたいので運動を採り入れることにした。
でも基本的に運動は苦手・・・
家の中でできる腹筋やスクワットなどを10分から20分程度やることにした。
H23年12月X日
運動を採り入れた成果が少しずつ出てきた。体重が再び落ち始めた。
ズボンのウエストがぶかぶかになってきた。
H23年1月X日
糖質制限を始めて以来、体重は7kg減った。コレステロール値も正常になった。
約7ヵ月間、糖質制限を実践してみて、優れた食事療法だと思いました。
食生活を楽しみながら、無理なくやれるところがよいと思います。
スタッフA
2012.03.31更新
当院スタッフの糖質制限(低炭水化物)食体験記・・その2
H23年7月X日
私が実行したのは、①夕食に炭水化物を食べない ②間食は控える この二つで
す。
①の主食を抜くというのは、おかずは普通に食べられるし全然楽勝でした。
②の間食はそれまで好きな時に好きなだけ食べていたから、ちょっとつらかったけ
れど、まったく食べないというわけじゃなく、自分へのご褒美としてたまには食べて
いたので、だんだんに慣れることができました。
平成23年9月X日
体重は2カ月で56kgまで落ちたが(-3kg)、それからは横ばいになってしまってい
る・・
少しフラストレーションを感じるようになりました。
ずっと食事療法を続けておられる糖尿病患者さんたちの苦労が少しわかったよう
な気がしました。
院長に相談したところ、「体重は直線的には下がらない。途中で必ず踊り場が来る
ものだから、こう着状態になってもあせらずに続けること」との答え。
気を取り直して、辛抱強く続けてみることにしました。(次回に続く)
スタッフA
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